低価格帯でANCとワイヤレス充電に対応した完全ワイヤレスイヤホンは殆どありません。
そんな中、両方に対応したモデルが「EarFun Free Pro」。
しかも、5,999円とギリギリ5,000円台で登場!
ということで、今回はANCとワイヤレス充電に対応し、低遅延モードまで備えた「EarFun Free Pro」をレビューしていきます。
後継モデルは「EarFun Free Pro 2」レビュー!!をご覧くださいませ。
また、「EarFun」のうどん型ANC対応モデルが気になる場合は「EarFun Air Pro」や「EarFun Air Pro 2」をご覧くださいませ!
実際に使ってレビューしたモデルの中から抽出しています。
※サンプル提供:EarFun
「EarFun Free Pro」の概要
「EarFun Free Pro」は、コスパの高かった「EarFun Free」のANC対応モデルで小型軽量になった完全ワイヤレスイヤホン。
10分の充電で2時間再生可能な急速充電やワイヤレス(Qi)充電などの長所は残しつつ、最大28dbののANCに対応し、価格は約1,000円ほどのアップに抑えられています。
また、ゲーム利用時の遅延やBluetoothの通信環境が悪い場所で安定性が向上する低遅延モードに対応したことで、より多くの環境で快適に利用可能です。
- 最大28db低減のANC対応
- 10分で2時間の急速充電対応
- ワイヤレス(Qi)充電対応
- 低遅延モード
- 片耳4.1gの軽量
「EarFun Free Pro」のスペック
商品名 | 「EarFun Free Pro」 |
連続再生時間 | 7時間/6時間(ANCモード) |
ケース込再生時間 | 最大32時間/27時間(ANCモード) |
急速充電 | 10分の充電で2時間使用可能 |
Bluetooth | Bluetooth5.2 |
コーデック | AAC/SBC |
ドライバ |
6.1mm径のダイナミックドライバー+複合振動板
|
タイプ | カナル型 |
左右同時伝送 | 非対応 |
ノイズキャンセリング | ANC対応28dB |
外音取り込み | 対応 |
通話ノイズキャンセリング | 対応/4マイク/ENC |
マルチペアリング | 対応 |
マルチポイント接続 | 非対応 |
インターフェース | USB/TypeC |
防水性能 | IPX5 |
操作 | 静電容量式タッチセンサー |
連携アプリ/イコライザ | 非対応 |
ワイヤレス充電 | 対応 |
ペアリング | リレー伝送/片耳対応 |
チップセット | 不明 |
バッテリー容量 | イヤホン50mAh×2/ケース400mAh |
重量 | イヤホン片耳4.1g 本体+充電ケース42g |
その他機能 | 低遅延モード |
販売先 | Amazon |
この価格帯では珍しいANCとワイヤレス充電に対応しているのが目を引きますね。
防水性能は「EarFun Free」のIPX7からIPX5に落ちていますが、ANC対応完全ワイヤレスイヤホンの中では高めですし、あらゆる方向からの噴流水に耐えられる性能のため、実用上は問題ないでしょう。
「EarFun Free Pro」のデザインチェック
まずは、「EarFun Free」からデザインのテイストが大幅に変わった「EarFun Free Pro」のデザインをチェックしていきましょう。
質の高いフタミ式を採用した「外箱」
通常5,000円前後のモデルは箱のラベルが変わるぐらいで共通しているケース多いのですが、「EarFun」は毎回外箱が変わっています。
かなり激安な部類にも関わらずフタミ式の箱は分厚く高い質感。
充電ケースが収まる黒いケースは厚めの硬化したスポンジと黒い紙で加工してあり、価格帯を上回るクオリティーです。
ケースで固定された「同梱物」
「EarFun Free Pro」の同梱物は以下の通り。
- イヤホン本体×1
- 充電ケース×1
- USB/typeA-TypeCケーブル×1
- イヤーピース×4
- イヤーウイング×3
- 多言語取り扱い説明書
- カスタマーカード
イヤーピースやイヤーウィングは透明の袋に入っている事が多い中、専用のケースに嵌める形で同梱されているので取り出しやすくGood!
オーソドックスでシンプルな「本体」
イヤホン本体は、光沢があるタッチセンサー部分に「EarFun」ロゴがあり、平面で触りやすいので、タッチコマンドには最適!
背面の形状はフラット気味。
耳の形にうねっていた「EarFun Free」に比べるとフィット感は落ちそうです。
種類が豊富な「イヤーピース&イヤーウィング」
サイズ感に差がある4種類のイヤーピースが同梱されているので、フィット感で困る人は殆どいないでしょう。
また、やや薄めで柔らかめの質感のため、耳への負担はかなり少ないです。
イアーウィングはフックがついてないものを含めて3種類。
付け替えも容易でイヤーピース同様柔らかめなので、装着感は上々です。
配色が統一された「充電ケース」
充電ケースはイヤホン本体と同一配色で統一感は高め。
上部はイヤホンのタッチセンサー部分と同じロゴと光沢素材で、下部や側面はイヤホンのタッチセンサーの縁と同じ色合いが採用されています。
ワイヤレス充電に対応した「インターフェース」
ワイヤレス充電も問題なく利用可能。
置くだけで済むワイヤレス充電は、スマホよりイヤホンなどのガジェットと相性が良い!
ワイヤレス充電がなくても背面にはUSB/TypeCの充電インターフェイス有り、LEDは正面にあるため、使い勝手は良好。
やや視認性が低い「LEDランプ」
イヤホン本体のLEDはイヤーウィングのフック部分。
青単色点灯で輝度はあるものの、明るい場所だとフックがあることも有り視認性は低いです。
充電ケースのインジケーターを兼ねたLEDは視認性は悪くないものの、以下のように色で判断するタイプで、30%未満を小刻みに表示するので残容量の把握としては微妙な気がします。
- 緑→30%以上
- オレンジ→30%未満
- 赤→10%未満
- 赤点滅→5%未満
また、充電中は赤点灯、完了後は緑に点灯します。
小型で軽い「重量」
イヤホン本体は、イヤーピースとイヤーウィングを含めて実測で両耳9gとANC対応モデルとしてはかなり軽量です。
充電ケース400mAhで実測32gとサイズとともに標準的、最大32時間駆動可能なのでイヤホン本体が優秀な気がしますね。
「EarFun Free Pro」の使い方
続いて、「EarFun Free Pro」のペアリング方法とタッチセンサーを用いた音楽や通話関連のコマンドを解説していきます。
ペアリング方法
「EarFun Free Pro」は、充電ケースを開くとペアリングモードに入るタイプ。
青の点滅を確認したら、スマホで設定しましょう。
また、イヤホン本体のペアリングをリセットする場合は、充電ケース戻した状態で10秒ほど両耳のタッチセンサーをタッチすることでリセットされます。
Bluetoothのペアリングや接続できない時の解決方法を徹底解説!!
Androidのペアリング手順
Androidスマホから以下の手順でペアリングをお試しくださいませ。
- 充電ケース開く
- [設定]を開く
- [Bluetooth]を選択
- [新しいデバイスとペア設定]を選択
- [「EarFun Free Pro」]を選択
- [ペア設定をする]を選択
iPhoneのペアリング手順
iPhoneなどのiOSデバイスで「EarFun Free Pro」をペアリングする場合は以下の手順です。
- 充電ケース開く
- 本体[設定]
- [Bluetooth]をON
- [その他のデバイス]を選択
- [「EarFun Free Pro」]を選択
- [ペア設定をする]を選択
操作方法
「EarFun Free Pro」は、イヤホン本体のロゴの部分がタッチセンサーになっています。
タッチ部分が広く、感度が絶妙で操作性が高く癖もないため、コマンドを覚えてしまえば快適に利用できるでしょう。
ANCと外音取り込みの操作一覧
ノーマル/ANC/外音取込の切り替え | 左イヤホンを3回タッチ |
ANCや外音取込を使う場合は、左イヤホンを3回連続でタッチすると「ANC」→「外音取込」→「ノーマル」の順にモードが切り替わります。
また、ANCモードで電源を落とし場合、次回接続時にはANCモードのままになっているので地味に便利です。
音楽再生関連の操作一覧
音楽を再生 / 一時停止 | 左右どちらかを2回タッチ |
次の曲へ | 右イヤホンを3回タッチ |
前の曲へ | 非対応 |
音量を上げる | 右イヤホンを1回タッチ |
音量を下げる | 左イヤホンを1回タッチ |
低遅延モード | 左イヤホンを2秒ロングタッチ |
「EarFun Air Pro」にはなかった音量コントロールが利用できるようになっているは良いのですが、相変わらず曲戻しには非対応。
結構、曲戻しを使う人も多いと思うのでなんとか対応してもらいたいところです。
通話や電源関連の操作一覧
電話に出る | 左右どちらかを2回タッチ |
電話を切る | 左右どちらかを2回タッチ |
着信を拒否する | 左右どちらかを2秒ロングタッチ |
通話を切り替える | 左右どちらかをを3回タッチ |
音声アシスタント | 右イヤホンを2秒ロングタッチ |
リセット | ケースに入れた状態で左右10秒タッチ |
通話関連は左右の区別なくタッチ回数やロングタッチで分けられているので覚えやすく使い勝手が良いです。
なにより感度が良く癖がない操作性はタッチセンサー系の中ではトップクラス。
「EarFun Free Pro」の音質
「EarFun Free Pro」は、やや中音の厚みが強調されたマイルドな音質です。
高音の周波数特性が弱くクリア感には欠けるものの、柔らかい音色なので、フォークソングなどの派手さが求められない音楽に向いています。
低音が強調された「EarFun Free」や少しドンシャリ傾向のある「EarFun Air」や「EarFun Air Pro」と異なり、今までの「EarFun」と音の傾向が違う上、解像感的にも上質ではないため好き嫌いは分かれそうです。
ただ、低音量でも音の特性はあまり変わらないので、長時間低音量で聴いたりするには問題ないかと!
- バランスの取れたマイルドな特性
- 高音がやや弱め
- 中音域が強い
- 音場は狭め
- 音量を下げても質はあまり変わらない
体感できるレベルで効く「ノイズキャンセリング」
ノイズキャンセリングは、おそらくフィードフォワード式オンリー。
英語の商品説明ページではフィードフォワードしか記載がないためフィードバック方式にも対応したハイブリッド方式ではないでしょう。
スペック的にも最大28dbということでそれほど期待はしていませんでしたが、エアコンの送風音や屋外の低音域は体感できるレベルでは効きます。
「EarFun Air Pro」と比べるとノイズキャンセリングは弱いものの、同価格帯のANC対応完全ワイヤレスイヤホンと比べて弱いということはないので、価格を考えると十分実用的。
また、ANCの仕組みについては[「ノイズキャンセリング」とは?外音を打ち消す仕組みを徹底解説!!]を御覧くださいませ!
違和感なく使える「外音取り込み」
外音取り込みは屋外でも室内でも価格以上に利用可能!
ノイズ音の少なく比較的違和感なく使えます。
大きく音を取り込んでくれるわけではありませんが、不自然に強調されないので疲れません。
「EarFun Free Pro」の使用感
それでは「EarFun Free Pro」の使用感をまとめていきます。
結論からいうと「EarFun Free Pro」は、ワイヤレス充電や急速充電が有り、タッチセンサーも感度が絶妙で使いやすいです。
ANCは体感的に分かるレベルですが、音質は「EarFun」にしては高い感じがしないので、「EarFun Air Pro」と比べると総合的にはやや届かない印象。
長時間向きの「装着感&遮音性」
「EarFun Free Pro」の装着感は「EarFun Free」に比べるとフィット感で劣りますが、軽量でコンパクトかつイヤーウィングもあるので、安定感があります。
また、遮音性はイヤーピースが少し薄めであることや、イヤホン本体の耳への密着感が少ないことで高くはありません。
その分、装着時の安定感と相まって長時間の利用では疲れず利用することが可能です。
反応の良い「ワイヤレス充電」
5,000円台でANCとワイヤレス充電に対応しているモデルはほぼ皆無。
安いとはいえ、問題なくワイヤレス充電を利用可能!
レスポンスも良く置いたらすぐに充電開始されるので、Qi対応充電器を持っていたら利便性抜群です。
ビジネス用途でも問題ない「通話音質」
「EarFun」の完全ワイヤレスイヤホンはどれもマイク性能が高く、「EarFun Free Pro」も期待通りの性能を発揮!
「EarFun Air Pro」と比べると解像感的にはやや劣るものの、騒音や風にも比較的強く屋外でもよほど環境が悪くなければ問題なく通話できます。
電車の混雑時に役立つ「低遅延モード」
満員電車などBluetoothの接続環境が悪いと途切れないまでも、YouTubeなどの動画では遅延に気付くこともあると思いますが、そんな時に低遅延モードは役立ちます。
音質は意識するとやや劣化しますが、遅延が気になる場合はもちろん、Bluetoothが途切れてしまうような劣悪な環境の時に使うと「プツ、プツ」鳴らずに利用可能。
ゲームなどで使うより満員電車などに乗ることが多い人に向いたモードでしょう。
また、遅延などに影響するコーデックについて詳しく知りたい場合は[Bluetoothのコーデックの音質と確認方法を徹底解説!!]をご覧くださいませ。
「EarFun Free Pro」と「EarFun Air Pro」の違い
発売時期も近くANCに対応した「EarFun Free Pro」と「EarFun Air Pro」。
価格差は2,000円ほどですが、どちらも低価格なので違いが気になるところです。
そのため以下のように表にして違いをまとめてみました。
「EarFun Free Pro」 |
「EarFun Air Pro」
|
|
連続再生時間 | 7時間/6時間(ANCモード) |
9時間/7時間(ANCモード)
|
急速充電 | 10分の充電で2時間 |
10分の充電で1.5時間
|
Bluetooth | Bluetooth5.2 | Bluetooth5.0 |
ドライバー | 6.1mm | 10mm |
ANC | 28dB低減 |
38dB低減
|
操作 | 静電容量方式 | 加速度センサー |
ワイヤレス充電 | 対応 | 非対応 |
自動装着検出機能 | 非対応 | 対応 |
低遅延モード | 対応 | 非対応 |
通話 | 4マイク | 6マイク |
音質 | △ | ◎ |
廉価モデルの「EarFun Free Pro」のみワイヤレス充電に対応しているのが引っかかりますが、音質やANCの性能は間違いなく「EarFun Air Pro」の方が上回っているので、音質を重視するなら価格差を考えても「EarFun Air Pro」を選んだほうが満足できるでしょう。
逆に音質やANCをそこまで重要視しなければ、価格安くやワイヤレス充電にも対応しているで「EarFun Free Pro」を選ぶのが吉。
「EarFun Free Pro」がおすすめの人
「EarFun Free Pro」は、低価格でANC対応の完全ワイヤレスイヤホンを求めていてQi対応充電器を持っている人におすすめ。
急速充電にも対応していてタッチセンサーの操作性も高く軽量と、同価格帯ではトップクラスな使い勝手のため満足する可能性が高いです。
逆に、音質や強力なANCを求めている人やドンシャリ傾向の周波数特性が好きな人は避けた方が良いでしょう。
とはいえ、ANCを対応の5,000円台で高音質というのも選択肢がなくなるので、マイルドな音質が好きなら選択肢としては有り!
「EarFun Free Pro」レビューのまとめ
「EarFun Air」や「EarFun Free」と殆ど同じ価格帯でANC対応モデルを出してきたのは驚きです。
周波数特性が今までと違う傾向なため好みは分かれそうですが、操作性も含めて完成度は高く高コスパといって間違いなし!
また、ANC対応モデルの中では圧倒的に軽量コンパクトなのもGood。