聴く音楽や周波数のバランスによって好みが大きく変わる音質。
そんな評価が難しい音質に特化した完全ワイヤレスイヤホンがradius「HP-V500BT」。
重低音を重視しながらどのジャンルでも違和感なく聴くことができるバランスは、音質重視の人にはかなり魅力的です。
ということで、今回は絶妙なバランスの高音質と11時間連続再生で使い勝手の良いradius「HP-V500BT」をレビューしていきます。
また、外音取込機能やBAドライバーを搭載したモデルが気になる人は[radius「HP-V700BT」レビュー!!]をご覧くださいませ。
radius初のANC対応完全ワイヤレスイヤホンは[radius「HP-T200BT」レビュー!!]をご覧くだいませ!
実際に使ってレビューしたモデルの中から抽出しています。
サンプル提供:radius
radius「HP-V500BT」の概要
「HP-V500BT」は、1986年にAppleの元役員が設立し、MacOS互換機の「Supermac」や世界初の同軸上に2枚の振動板を配置したDDM方式を開発したradiusの重低音重視の完全ワイヤレスイヤホン。
ハイレゾ再生アプリケーションのダウンロード数が世界トップなだけあって、高音質でどのジャンルでも違和感なく音楽を楽しめるモデルです。
また、音質だけでなく、11時間の連続再生、遅延に強くハイレゾにも対応する「aptX Adaptiveコーデック」やデバイスを選ばず利用できる左右同時伝送「TrueWireless Mirroring」にも対応しています。
- 重低音かつ高音質
- 11時間の長時間連続再生
- ハイレゾにも対応する「aptX Adaptiveコーデック」対応
- 左右同時伝送の「TrueWireless Mirroring」対応
radius「HP-V500BT」のスペック
商品名 | 「HP-V500BT」 |
連続再生時間 | 最大11時間 |
ケース込再生時間 | 最大50時間 |
急速充電 | 非対応 |
Bluetooth | Bluetooth5.2 |
コーデック | aptX Adaptive/aptX/AAC/SBC |
ドライバ |
6mm径のダイナミックドライバー(カーボンファイバードーム振動板)
|
インピーダンス |
16Ω
|
タイプ | カナル型 |
左右同時伝送 | 対応/TW Mirroring |
ノイズキャンセリング | 非対応 |
外音取り込み | 非対応 |
通話ノイズキャンセリング | MEMSマイク(Qualcomm cVc8.0採用) |
マルチペアリング | 対応 |
マルチポイント接続 | 非対応 |
インターフェース | USB/TypeC |
防水性能 | IPX4 |
操作 | タッチセンサー |
連携アプリ/イコライザ | 非対応 |
ワイヤレス充電 | 非対応 |
ペアリング | TW Mirroring |
チップセット | QCC3040 |
バッテリー容量 | 750mAh(充電ケース) |
重量 | 非公表 |
カラー | ブラック/レッド |
その他機能 | 特になし |
販売先 | Amazon |
Qualcommの最新チップ「QCC3040」を採用しているので、Bluetoothやコーデックに左右同時伝送などトレンドを抑えたスペックですね。
ただし、「ノイズキャンセリング」非対応モデルとしては、防水性能が水の飛まつまで防げるIPX4のため人によっては物足りない可能性もあります。
radius「HP-V500BT」のデザインチェック
まずは、radius「HP-V500BT」のデザインから観ていきましょう。
内箱の質感が高い「化粧箱」
化粧箱はブラックベースのサラサラとした質感。
薄めのため高級感はありません。
化粧箱から取り出すとフタミ式の内箱。
つや消しのブラックで厚みもあり、イヤホンや充電ケースの観せ方も上手いため中々の高級感を感じられます。
少し残念な「同梱物」
radius「HP-V500BT」の同梱物は以下の通り。
- イヤホン本体×1
- 充電ケース×1
- USB/typeA-TypeCケーブル×1
- イヤーピース×4
- 取り扱い説明書×1
イヤホンや充電ケースの質が高いので、イヤーピースが専用ケースではなく袋に入っているのがちょっと残念。
少し大きく独特な形状の「本体」
表面は光沢仕様で、前に向かってやや伸びている独特なデザイン。
少し大きくガッチリしている作りで、高級感は高めの印象です。
耳側は更に独特な形状で高輝度のLEDを採用しています。
意外と流線的なのでゴツさは感じません。
厚めでしっかりした「イヤーピース」
radius「HP-V500BT」のイヤーピースは、厚めでしっかりとした質感。
このタイプは耳にサイズが合わないとフィット感が割るケースが多いですが、サイズ感に差がある4つのイヤーピースが用意されているので問題ないでしょう。
大きくがっしりした「充電ケース」
充電ケースは楕円形のしっかりとした作りの縦置き型で、コンパクトなモデルと比べると1.5~2倍ぐらいのサイズ感のため、カバンは必須。
ランプ付きの充電「インターフェース」
背面の充電インターフェースはUSB/TypeC。
すぐ上に輝度の高いLEDランプがあるので、分かりやすく使い勝手の良い配置です。
インジケーターが分かりやすい「LEDランプ」
イヤホン本体のLEDは、耳側で白と赤。
かなり輝度があるため、写真のように裏側でも視認できます。
また、充電ケースは開くと確認できる4段階のインジケーター。
こちらも視認性抜群で、残量は以下の設定になっています。
- 4つ点灯=100~75%
- 3つ点灯=74~50%
- 2つ点灯=49~25%
- 1つ点灯=24~1%
大きくやや重い「重量」
radius「HP-V500BT」の重さは実測で、イヤホンが14g、充電ケースが70g。
イヤホンは大きさを考えると質量的に重さを感じませんが、充電ケースは軽量なモデルと比べると倍近くあります。
ただ、バッテリー容量も750mAhと大容量で、作りもしっかりしているため納得できる重さです。
radius「HP-V500BT」の使い方
続いて、radius「HP-V500BT」のペアリング方法とタッチセンサーを利用した音楽や通話のコマンドの解説していきます。
ペアリング方法
イヤホン本体を充電ケースから取り出すと電源が入り、ペアリングモードに移行するので、白と赤の点滅を確認したらスマホ側で設定しましょう。
また、radius「HP-V500BT」は、4台までのデバイスをペアリングとして記憶可能です。
記憶しているペアリング情報をリセットする場合は、イヤホンを充電ケースに収納した状態で20秒間タッチセンサーをロングタッチすると削除されます。
Bluetoothのペアリングや接続できない時の解決方法を徹底解説!!
Androidのペアリング手順
Androidスマホのペアリングをする場合は以下の手順でお試しくださいませ。
- 充電ケース開く
- [設定]を開く
- [Bluetooth]を選択
- [新しいデバイスとペア設定]を選択
- [radius「HP-V500BT」]を選択
- [ペア設定をする]を選択
iPhoneのペリング手順
iPhoneなどのiOSデバイスでradius「HP-V500BT」をペアリングする場合は以下の手順です。
- 充電ケース開く
- 本体[設定]
- [Bluetooth]をON
- [その他のデバイス]を選択
- [radius「HP-V500BT」]を選択
- [ペア設定をする]を選択
操作方法
radius「HP-V500BT」のタッチセンサーは、シルバーのアクセントカラーの間です。
タッチセンサー部分が大きくタッチ感度も強くても弱めでもしっかり反応するので、ストレスなく利用できます。
音楽再生関連の操作一覧
音楽を再生 / 一時停止 | 左右どちらかを1回タッチ |
次の曲へ | 右イヤホンを2回タッチ |
前の曲へ | 左イヤホンを2回タッチ |
音量を上げる | 右イヤホンをロングタッチ |
音量を下げる | 左イヤホンをロングタッチ |
音楽関連のコマンドはフル装備。
振り分けも使いやすいので個人的には文句なし!
通話や電源関連の操作一覧
電話に出る | 左右どちらかを1回タッチ |
電話を切る | 左右どちらかを1回タッチ |
着信を拒否する | 左右どちらかを2回タッチ |
リセット |
ケースに入れた状態で左右20秒タッチ |
通話関係は分かりやすい反面、通話の切り替えやアシスタントの起動には対応していません。
とはいえ、完全ワイヤレスイヤホンからアシスタントを起動して使っている人を見たことがないので、多くの場合問題ないでしょう。
radius「HP-V500BT」の音質
radius「HP-V500BT」は、やや重低音を強調しながら中~高音までバランスの取れたかなりの高音質。
中音が程よく出ているため、籠もりとクリアのバランスが取れていて苦手なジャンルの音楽がない印象です。
音の輪郭がしっかりしていて解像感が有り、音場も広めなので、EDMやR&Bはもちろんクラシックの音数が多い楽曲と相性が良く、音量を最大まであげても破綻がないので、快適に音楽を楽しめます。
また、小音量でもホワイトノイズがほとんど入らないため、家で小音量をBGM的に利用するのにも最適!
- 重低音がやや強め
- 中~高までのバランスが取れている
- 解像感が高く音場もやや広め
- 小音量でもホワイトノイズがほぼ入らない
- 派手さにはやや欠ける
radius「HP-V500BT」の使用感
それではradius「HP-V500BT」の使用感をまとめていきます。
結論から言うとradius「HP-V500BT」は、約20,000円の価格でノイズキャンセリングやコンパニオンアプリがない点が気になるものの、どのジャンルや音量でも快適に楽しめる優れた音質に加え、イヤホン本体や充電ケースの質感が高いので、音質のプライオリティーが高ければかなり満足できる完全ワイヤレスイヤホンに仕上がっています。
密着感の低い「装着感」
radius「HP-V500BT」は、耳との密着感が殆どないため、夏などは蒸れずに済むもののフィット感にはやや欠けます。
イヤーピースがしっかりしている分、耳のサイズにハマれば安定感も得られるものの、若干本体と耳が離れているので好みが分かれるでしょう。
しかし、遮音性は耳の奥まで入るイヤーピースのお陰でかなり高く、ノイズキャンセリグ対応モデルほどでは有りませんが、高い没入感を得られます。
快適な「接続速度と安定性」
QualcommのQCC3040を搭載しているだけあって、接続も高速で安定性も高いです。
特にaptX Adaptiveに対応してXiaomi「Redmi Note 9S」に接続していると少し混雑した電車でも「プツっ」「プツっ」と途切れることなく安定して利用できます。
屋内で聞き取りやすい「通話音質」
高音や低音のバランスは良く疲れず音声を聴くことが可能。
屋内はもちろん、屋外でも問題なく利用できますが、騒音が大きいとノイズキャンセルが上手く効かず声も小さくなってしまうので、価格を考えるともう少し精度を上げて欲しいところ。
圧倒的な「連続再生時間と充電ケース」
radius「HP-V500BT」の連続再生時間は、11時間とトップクラス。
しかも、充電ケースを含めると50時間まで利用できるので、日常使いから飛行機などの長時間移動でも殆ど場合電池切れを起こさず音楽を楽しめます。
実際、音量40%で5時間利用したタイミング残量を確認したところ、60%の残量が確認できたため、ほぼ公称通りの連続再生時間が見込めるでしょう。
全くわからない「遅延」
可変ビットレートのコーデック「aptX Adaptive」に対応しているだけあって、電車内でYouTubeを視聴していても、かなり意識しないと遅延によるズレは感じません。
iPhoneの場合は、AACかSBCでの接続になりますが、よほど通信環境が悪くなければ音ズレは感じることないでしょう。
また、AndroidスマホがaptX Adaptiveに対応しているか確認方法は、[Bluetoothのコーデックの音質と確認方法を徹底解説!!]をご覧くださいませ。
radius「HP-V500BT」がおすすめの人
radius「HP-V500BT」は、EDMやクラシックを高音質で聴きたいって人におすすめ。
大音量でも破綻なく快適な音楽が楽しめ、最小音量でもホワイトノイズが殆ど入らないので、どの環境でも音質的には満足度が高いです。
逆に、コスパを重視する人とは相性が悪く、同価格帯のモデルでは利用できることが多い、イコライザーやタッチコマンド変更ができるコンパニオンアプリやノイズキャンセリング、外音取込がついていません。
ただ、基本スペックは高く長時間連続再生にも対応しているうえイヤホン本体や充電ケースのクオリティーが高いので、上記が気にならなければ満足できるでしょう!
radius「HP-V500BT」レビューのまとめ
radius「HP-V500BT」は、重低音に特化した調整かと思いきや周波数のバランスが優れているため、どのジャンルでも楽しめる完全ワイヤレスイヤホン。
価格的にノイズキャンセリングやコンパニオンアプリが無いのがコスパ的には良くないものの、イヤホンの本質、音質が文句なし!