スマホに使われるCPUって種類が多いですよね。
Qualcommだけでもローエンド、ミドルレンジ、ハイエンドと複数のCPU(SoC)がでてるので、詳しい人でないと型番と性能の結びつきがわかりにくいです。
ということで、今回はスマホのCPU(SoC)の性能の見方やメーカーを購入の参考になるように徹底解説していきます。
CPUとSoCの違いについては「SoC」とは?をご参照くださいませ!
スマホのCPUとは?
そもそもCPUは、全ての動作の司令となる部分で、OSに始まりアプリケーションや各種LSIの制御の行うハードウェアです。
そのため、様々なLSIの中でも最も重要な部分で、CPU性能が低ければ他がどんなに高性能でも快適に利用することができません。
また、近年のスマホの場合登載されるCPUは一つではなく2から10程度のコアを搭載するマルチコアの構成となっています。
スマホのCPUの見方
それでは、スマホのCPU(SoC)の性能を見るにはどのよう見方をすれば良いのかまとめていきます。
OSの起動やアプリの動作まで、あらゆる面で重要な処理をこなすのがCPUです。
CPUの性能を見るには主に、「コア数」「クロック周波数」「IPC」の3つの項目を考えると良いでしょう!
マルチ処理の性能を決めるCPUの「コア数」
CPUのコア数は、デュアルコア(2つのCPUコア)やクアッドコア(4つのCPUコア)、最近はオクタコア(8つのCPUコア)などが主流です。
当然コア数が多ければ処理能力もあがるので、性能を求める場合は、必然的にある程度のコア数は必要になります。
とはいえ、全てのアプリケーションがマルチコアに対応してたり最適化されているわけでは、ないので「コア数」より1コア辺りの性能も重要視されます。
現実的には、複数のアプリケーションを同時に動かしたり動画の編集やエンコードをしない限りシングル性能を重視した方が良いでしょう。
処理速度に直結する「クロック周波数」
クロック周波数は、CPUのシングル性能に大きく影響します。
特にパソコンに使われる、intelやAMDのCPUでは、クロック周波数で比較する人なども多いでしょう。
そもそもクロック周波数を簡単にいってしまうと、高ければ高いほど1秒間に処理できる回数が多くなり性能が上がります。
そのため、シングルコアの性能を求める場合は、最も重要視される項目の一つです。
とはいえ、クロック周波数は高ければ高いほど消費電力は増大し発熱も上がりますので、爆熱スマホなどが稀にでて来てしまうため、製造プロセスに合わせて性能と消費電力や発熱のバランスを取って開発されます。
コアサイズや処理数に直結する「IPC」
IPCはあまり聞き慣れない言葉だと思いますが、CPUのシングル性能を見て上で、クロック周波数に並んで大きな影響を持っています。
では、IPCとはなにかとを簡単にいってしまうと1秒間に処理できるデータ量のです。
1秒間に処理できるデータ量が多いほどIPCが高くなり性能があがるのですが、その分命令の処理を行うための命令デコードなどの各種ユニットを強化する必要がありトランジスタ数も増えてしまいます。
トランジスタ数が増えればその分CPUのサイズも大きくなり、消費電力の増大や発熱を招くのでバランスが重要ですね。
また、スマホのCPUではAppleの「Firestorm」コアやSamsungの「M5」などのCPUコアが非常に高いIPCとなっています。
スマホのCPUの種類
スマホで利用されるCPUは全てARMです。
ここでは、ARMのCPUのシングル性能とマルチコア性能の違いをCPUコアの種類と併せて解説していきます。
CPUのシングルコアスコアの性能
CPUのシングルスコアの性能は超重要。
なぜなら、マルチスコアの場合現状では、アプリ側が完全に最適化されていないケース多く性能を活かしきれないためです。
実際、「Snapdragon 820」などの比較的マルチコアスコアが低い「SoC」を搭載したスマホと「Snapdragon 625」などのシングルコアスコアが低く、マルチコアスコアが高いスマホを比べると多くの場合、前者のほうがサクサク動きます。
シングルコアの高いCPUを選ぶ場合、ビックコアと呼ばれるARMの「Cortex-A77」や「Cortex-A76」、Appleの「Firestorm」やSamsungの「M5」などが搭載されているスマホが良いでしょう。
特にAppleの「Firestorm」は、iPhoneしか選択肢がありませんが、シングルスコアの性能が桁違いに高いのでおすすめです。
CPUのマルチスコアの性能
CPUのマルチスコア性能を重視する場合もあります。
具体的には、複数のアプリを同時に動かしたり、動画編集をしたりする場合です。
しかし、マルチコアといってもリトルコアと呼ばれる消費電力重視の性能が抑えめのコアが多く乗っているケースがあります。
その場合期待通りの処理速度が出ないこともあるので、シングルコアスコアの高いCPUでマルチコア構成になっていてCPUを選んだ方が良いでしょう。
スマホのCPU性能とメーカー一覧
スマホのCPUは、2020年現在、5社が「SoC」として開発しています。
メーカー別の一覧では、型番単位でスペック面と性能の目安としてAntutuベンチマークスコアを合わせて記載しています。
圧倒的シェアのQualcomm「Snapdragon」
SoC | CPU | クロック周波数 | GPU | メモリ | 製造プロセス | Antutu V8 | 主なデバイス |
Snapdragon 888 | Kryo 680[CortexX1(1コア)+A78(3コア)+A55(4コア)] | 2.84GHz×1 2.4GHz×3 1.8GHz×4 | Adreno 660 | LPDDR5 2,750MHz | 5nm | 735,000 | Xiaomi Mi 11 |
Snapdragon 865 | Kryo 585[Cortex-A77(4コア)+Cortex-A55(4コア)] | 2.84GHz×1 2.4GHz×3 1.8GHz×4 | Adreno 650 | LPDDR5 2,750MHz | 7nm | 573,000 | Xiaomi Mi 10 |
Snapdragon 855 Plus | Kryo 485 P×1 Kryo 485 P×3+ Kryo 485 Silver×4 | 2.96GHz+2.42GHz+1.8GHz | Adreno 640 | LPDDR4x 2,133MHz | 7nm | 500,000 | Redmi K20 Pro |
Snapdragon 855 | Kryo 485 P×1 Kryo 485 P×3+ Kryo 485 Silver×4 | 2.84GHz+2.42GHz+1.8GHz | Adreno 640 | LPDDR4x 2,133MHz | 7nm | 464,000 | Xperia 1 |
Snapdragon 845 | Kryo 385 Gold×4+ Kryo 385 Silver×4 | 2.8 GHz+ 1.8 GHz | Adreno 630 | LPDDR4x 1866MHz | 10 nm LPP | 350,000 | Pixel 3 |
Snapdragon 835 | Kryo 280×4+ Kryo 280×4 | 2.45 GHz+ 1.9 GHz | Adreno 540 | LPDDR4x 1866MHz | 10 nm LPE | 263,000 | Xperia XZ1 |
Snapdragon 821 | Kryo×2+Kryo×2 | 2.35 GHz+ 1.6 GHz | Adreno 530 | LPDDR4x 1866MHz | 14 nm LPP | 186,000 | Pixel |
Snapdragon 820 | Kryo 475 Gold(A76)×2+Kryo 475 Silver(A55)×6 | 2.4 GHz+ 1.8GHz | Adreno 530 | LPDDR4x 1866MHz | 14 nm LPP | 178,000 | Xperia XZ |
Snapdragon 765 G | Kryo 475 Gold(A76)×2+Kryo 475 Silver(A55)×6 | 2.3 GHz+1.8GHz | Adreno 620 | LPDDR4x 2,133MHz | 7nm EUV | 302,000 | Redmi K30 5G |
Snapdragon 765 | Kryo475(A76)×2+Kryo 460(A55)×6 | 2.3 GHz+1.8GHz | Adreno 620 | LPDDR4x 2,133MHz | 7nm EUV | 287,000 | |
Snapdragon 730G | Kryo 470(A76)×2+Kryo 460(A55)×6 | 2.2 GHz+ 1.7 GHz | Adreno 618 | LPDDR4x 1866MHz | 8nm | 258,000 | Redmi K30 |
Snapdragon 730 | Kryo 470(A76)×2+Kryo 460(A55)×6 | 2.2 GHz+ 1.7 GHz | Adreno 618 | LPDDR4x 1866MHz | 8nm | 243,000 | Redmi K20 |
Snapdragon 710 | Kryo 360 Gold×2+ Kryo 360 Silver×6 | 2.2 GHz+ 1.7 GHz | Adreno 616 | LPDDR4x 1866MHz | 10 nm LPP | 222,000 | OPPO R17 PRO |
Snapdragon 675 | Kryo 460(A76)×2+Kryo 460(A55)×6 | 2.0 GHz+ 1.7 GHz | Adreno 612 | LPDDR4x 1866MHz | 11nm LPP | 200,000 | Redmi Note 7 Pro |
Snapdragon 670 | Kryo 360 Gold×2+ Kryo 360 Silver×6 | 2.2 GHz+ 1.7 GHz | Adreno 615 | LPDDR4x 1866MHz | 10nm LPP | 220,000 | Pixel 3a |
Snapdragon 660 | Kryo 260×4+Kryo 260×4 | 2.2 GHz+ 1.8 GHz | Adreno 512 | LPDDR4x 1866MHz | 14nm LPP | 182,550 | Mi A2 |
Snapdragon 636 | Kryo 260×8 | 1.8 GHz | Adreno 509 | LPDDR4x 1333MHz | 14nm LPP | 170,000 | Redmi Note 5 |
Snapdragon 625 | Cortex-A53×8 | 2GHz | Adreno 506 | LPDDR3 1866 Mhz | 14nm LPP | 74,500 | Redmi 5 Plus |
Snapdragon 450 | Cortex-A53×8 | 1.8GHz | Adreno 506 | LPDDR3 1866 Mhz | 14nm LPP | 72,000 | arrows Be |
Qualcommの「SoC」は、界中の多くのスマホで採用され、安定性はもちろん、人気知名度共に抜きに出ている「Snapdragon」です。
特にのフラグシップ「SoC」は、GPUが強力で「Snapdragon810」世代を除くどの世代でもトップに君臨。
また、「Snapdragon」シリーズのラインナップの見方としては以下のようになります。
Snapdragon8XX→ハイエンド/フラグシップモデルでどの世代でも非常に高性能。
Snapdragon7XX→ミドルレンジの上位モデルのGPUを強化したシリーズ。
Snapdragon6XX→ミドルレンジ、7XXに匹敵する「SoC」から、4XXに近い性能の「SoC」まで存在する非常にややこいシリーズ。
Snapdragon4XX→ローエンド、基本動作もややもっさり気味で国内では使われなくなってきているシリーズ。
Snapdragon2XX→ローエンドより更に下で、より低コストが求められる発展途上国向きのシリーズ。
「Snapdragon」は合計5シリーズのラインナップとなっていますが、「Snapdragon 7XX」と「Snapdragon 6XX」の差があまりなかったり「Snapdragon 6XX」の中でも差が広すぎたり一部非常にわかりにくい部分があります。
そのため、「Snapdragon6XX」シリーズのスマホを購入する場合は必ず型番をチェックし性能を重視する場合は、「Snapdragon660」より上の型番の「SoC」が搭載されているスマホを選びましょう!
性能No.1のApple「Aシリーズ」
SoC | CPU | クロック周波数 | GPU | メモリ | 製造プロセス | Antutu | 主なデバイス |
Apple A14 Bionic |
Firestorm×2 Icestorm×4 | 3GHz+1.8GHz | 独自設計 4コア | LPDDR5 | 5nm | 675,000 | iPhone 12 Pro |
Apple A13 Bionic | Lightning×2 Thunder×6 | 2.65GHz+1.8GHz | 独自設計 4コア | LPDDR4X | 7nm | 538,000 | iPhone 11 |
Apple A12X | Vortex×4 Tempest×4 | 2.5GHz+1.5GHz | 独自設計 | LPDDR4X | 7nm | 557,000 | iPad Pro |
Apple A12 | Vortex×2 Tempest×4 | 2.5GHz+1.5GHz | 独自設計 | LPDDR4X | 7nm | 436,000 | iPhoneXS |
Apple A11 | Monsoon×2 Mistral×4 | 2.39GHz | 独自設計 | LPDDR4X | 10nm | 295,000 | iPhoneX |
Apple A10 | Hurricane×2 Zephyr×2 | 2.33GHz | PowerVR Series 7XT GT7600 Plus | LPDDR4X | 16nm | 244,400 | iPhone7 |
iPhone専用の「SoC」がApple「Aシリーズ」。
Apple「Aシリーズ」の大きな特長は、シングルコアの性能の高さです。
Appleは、他社に先駆けカスタムコアで64bit化にいち早く切り替えることを皮切りに、「Apple A12」では、7命令デコード最新の「Apple A14 Bionic」では8命令デコード圧倒的に高いIPCを実現し、高いシングル性能を維持しています。
また、iPadなどの電力容量の大きいタブレット専用の「SoC」はクロック周波数をアップし更に性能が高くなっている点も見逃せません。
Android系のタブレットはハイスペックモデルが殆どないのでタブレットでハイスペックモデルが欲しい場合、唯一の存在となります。
GPUについては、イマジネーションテクノロジーズの「Power VR」から独自のGPUに2017年から切り代わり、GPU性能の高さにCPUと同様高いのでスマホのの中では性能No.1といえるでしょう。
ローエンド向けに強いMediaTek「Helio」
SoC | CPU | クロック周波数 | GPU | メモリ | 製造プロセス | Antutu V8 | 主なデバイス |
Dimensity 1000+ | Cortex-A77x4+Cortex-A55x4 | 2.6GHz+2.0GHz | Mali-G77 MC9 | LPDDR4X 2133Hz | 7nm | 520,000 | |
Dimensity 1000 | Cortex-A77x4+Cortex-A55x4 | 2.6GHz+2.0GHz | Mali-G77 MC9 | LPDDR4x 1866MHz | 7nm | 511,360 | |
Dimensity 1000L | Cortex-A77x4+Cortex-A55x4 | 2.2GHz+2.0GHz | Mali-G77 MC7 | LPDDR4x 1866MHz | 7nm | 413,000 | OPPO Reno3 |
Dimensity 820 | Cortex-A76x4+Cortex-A55x4 | 2.6GHz+2.0GHz | Mali-G57 MC5 | LPDDR4x | 7nm | 420,000 | Redmi 10X 5G |
Dimensity 800 | Cortex-A76x4+Cortex-A55x4 | 2.0GHz + 2.0GHz | Mali-G57 MC4 | LPDDR4x 1866MHz | 7nm | 335,000 | OPPO A92s |
Helio G90T | Cortex-A77x2+Cortex-A55x6 | 2.05GHz + 1.7GHz | Mali-G76 3EEMC4 | LPDDR4x 1866MHz | 7nm | 281,000 | Redmi Note 8 Pro |
Helio G70 | Cortex-A75x2+Cortex-A55x6 | 2.0GHz+2.0GHz | Mali-G52 2EEMC2 | LPDDR4x 1866MHz | 12nm | 191,000 | realme C3 |
Helio X30 | Cortex-A73x2+Cortex-A53 x4+Cortex-A35 x4 | 2.8GHz+2.2GHz+2.0GHz | PowerVR 7XT | LPDDR4x 1866MHz | 10nm | 155,000 | OPPO R15 |
Helio P90 | Cortex-A75x2+Cortex-A55x6 | 2.2GHz+2.0GHz | PowerVR GM9446 | LPDDR4x 1866MHz | 12nm | 118,000 | OPPO Reno Z |
Helio P70 | Cortex-A73 x4+Cortex-A53 x4 | 2.1GHz+2.0GHz | Mali-G72 MP3 | LPDDR4x 1600MHz | 12nm | 212,000 | UMIDIGI S3Pro |
Helio P60 | Cortex-A73 x4+Cortex-A53 x4 | 2.0GHz | Mali-G72 MP3 | LPDDR4x 1600MHz | 12nm | 172,000 | UMIDIGI F1 |
Helio P23 | Cortex-A53 x8 | 2.3GHz | Mali-G71 MP2 | LPDDR4x 1600MHz | 16nm | 96,000 | Ulefone Power 3 |
Helio A22 | Cortex-A53 x4 | 2.0GHz | PowerVR GE | LPDDR4x 1600MHz | 12nm | 87,000 | Xiaomi Redmi 6A |
MediaTekの「Helio」は、ハイスペックの「X」とミドルレンジの「P」ローエンドの「A」に加えてゲーム向けの「G」に分けられます。
MediaTekは元々発展途上国向けとなっていて、価格が重視されたコンセプトのスマホに強いため、ハイスペックの「X」では極端に採用実績が少ないので実質的には、「P」と「A」がメイン。
しかし、Qualcommの「Snapdragon 600」番台と同様、「P」シリーズは非常に性能に差があるので注意が必要です。
見分け方としては、「P」の後の数字が6以降であればビックコアを搭載したモデルなので性能を期待できますが、「P」の後が2の場合は、「Snapdragon 400」番台の性能と変わらないので気をつけましょう。
また、2020年になってからは、「Dimensity」シリーズで5Gやハイエンドにも対応してきているので今後注目が集まります。
ファーウェイ専用のHiSilicon「Kirin」
SoC | CPU | クロック周波数 | GPU | メモリ | 製造プロセス | Antutu | 主なデバイス |
Kirin 990 5G | Cortex-A76 x2+Cortex-A76 x2+Cortex-A55 x4 | 2.86GHz+2.36GHz+1.95GHz | Mali-G76 MP16 | LPDDR4x 2100MHz | 7nm EUV | 448,000 | Mate 30 Pro 5G |
Kirin 990 | Cortex-A76 x2+Cortex-A76 x2+Cortex-A55 x4 | 2.86GHz+2.09GHz+1.86GHz | Mali-G76 MP16 | LPDDR4x 2133MHz | 7nm EUV | 400,000 | Mate 30 |
Kirin 980 | Cortex-A76 x2+Cortex-A76 x2+Cortex-A53 x4 | 2.6GHz+1.9GHz+1.8GHz | Mali-G76 MP10 | LPDDR4x 2100MHz | 7nm | 375,000 | HUAWEI P 30 Pro |
Kirin 970 | Cortex-A73 x4+Cortex-A53 x4 | 2.4GHz+1.8GHz | Mali-G72 MP12 | LPDDR4x 1833MHz | 10nm | 277,000 | Huawei P20 Pro |
Kirin 960 | Cortex-A73 x4+Cortex-A53 x4 | 2.4GHz+1.8GHz | Mali-G71 MP8 | LPDDR4x 1833MHz | 16nm | 214,000 | Honor 9 |
Kirin 810 | Cortex-A76 x2+Cortex-A55 x6 | 2.27GHz+1.88GHz | Mali-G52 MP6 | LPDDR4x | 7nm FinFET | 277,000 | HUAWEI nova 5z |
Kirin 710 | Cortex-A73 x4+Cortex-A53 x4 | 2.2GHz+1.7GHz | Mali-G51 MP4 | LPDDR4x 1833MHz | 16nm | 164,000 | Huawei P30 lite |
Kirin 659 | Cortex-A53 4+4コア | 2.36GHz+1.7GHz | Mali-T830 MP2 | LPDDR4x | 16nm | 100,000 | Huawei P20 lite |
HiSiliconの「Kirin」は、Huaweiのスマホのみに搭載される「SoC」です。
HiSiliconがHuaweiの子会社なので、Appleなどと垂直統合的な戦略。
各シリーズの見分け方は、ハイエンドが「kirin 9XX」、ミドルレンジが「Kirin 7XX」ローエンドが「Kirin 6XX」となっています。
性能的には、どのモデルでも標準的で特長が薄いです。
しかし、「Krin 980」からAI性能に特化したNPUを加えるなど独自性を出しつつあります。
カスタムCPUコアでAppleを猛追するSamsung「Exynos」
SoC | CPU | クロック周波数 | GPU | メモリ | 製造プロセス | Antutu | 主なデバイス |
Exynos 990 | Mongoose 5th gen×2+Cortex-A76×2+Cortex-A55 x4 | 2.73GHz+2.50GHz+2.00GHz | Mali-G77 MP11 | LPDDR5 | 7nm EUV | 511,000 | Galaxy S20 |
Exynos 9820 | M4×4+Cortex-A75x2+Cortex-A55 x4 | 2.73GHz+2.31GHz+1.95GHz | ARM Mali-G76 MP12 | LPDDR4X | 8nm | 380,000 | Galaxy S10 |
Exynos 9810 | M3×4+Cortex-A55 x4 | 2.9GHz+1.9GHz | ARM Mali-G72 MP18 | LPDDR4x 1866MHz | 10nm | 323,000 | Galaxy S9 |
Exynos 8895 | M2×4+Cortex-A53 x4 | 2.5GHz+1.7GHz | ARM Mali-G71 MP20 | LPDDR4x 1866MHz | 10nm | 238,000 | Galaxy S8 |
Samsungの「Exynos」は、Android系の「SoC」では、スマホの登場から現在までQualcomm「Snapdragon」とハイエンド「SoC」で競ってきたブランドで性能も高いです。
3年ほど前からAppleのようにカスタムCPUに舵をきり、シングルコアの性能では、Qualcomm「Snapdragon」を大幅に上回ります。
その分、GPUや総合性能では劣る傾向がありますが、Androidで利用されるCPUでは最もシングルコアの性能が高いのがSamsungの「Exynos」です。
スマホのCPUから撤退または現在不明なメーカー一覧
ここからは、既に撤退してしまった、あるいは今後の先行きが不透明なメーカーと「SoC」を紹介しています。
TI「OMAP」
スマホ以前からモバイルデバイス向けに「OMAP」を開発していたTI。
日本では、富士通がよく採用していましたね。
2013年にはスマホ向けの「SoC」から撤退してしまいました。
ルネサス「SH-mobile」
日本の半導体メーカールネサスも「MP5225」が京セラのスマホ「HONEY BEE SoftBank 101K」に搭載されましたが、以降続くことはなく撤退に追い込まれました。
性能的には悪くなかったのですが、めちゃくちゃ出遅れてしまったのが致命的でしたね。
唯一の日本メーカーだっただけに非常に残念です。
intel「Atom」
intelも「Atom」ブランドで一時期スマホの「SoC」に参戦していました。
当時は、ダンピングかと思われるぐらいコスト重視の機種に採用され性能も悪くなかったのですが、シェアを伸ばすことができず撤退。
ARMアーキテクチャじゃないことや通信モデムを搭載していなかったことで採用が進まなかったと思われます。
ということで、スマホからは完全に撤退してしまいましたが、格安のノートPCやWindows系のタブレットでは現在でも供給しています。
Nvidia「Tegra」
パソコンのGPUで有名なNvidiaも「Tegra」というブランドでスマホの「SoC」に参戦していました。
しかし、初期の頃にGPUメーカーで有りながら貧弱なGPU、発熱対策の弱さなど作りの甘さが出てしまいシェアが伸びることはなかったです。
後期は、ARMアーキテクチャをカスタムしたCPU「Denverコア」を開発たりGPUも大幅に強化されましたが、ほとんど採用されないままスマホ市場からは撤退。
Rockchip「RK」
Rockchipは、スマホというよりChrome Bookで採用されることが多い「SoC」でしたが、近年はChrome Bookにも搭載されているデバイスを見かけないですね。
特に新しい情報もないですが、撤退したという情報もないため今後は不明です。
Xiaomi「Surge」
「Surge」は、スマホ市場で圧倒的なコスパを誇り続けるXiaomiの子会社が開発したミドレンジ向けの「SoC」でXiaomi Mi 5cで採用されましが、その他にスマホに搭載された情報はありません。
Xiaomiは、元々Qualcommの「Snapdragon」にべったりですので、新たに「SoC」を作る可能性は低そうです。
スマホのCPUまとめ
スマホを快適に長く使おうと思った場合、CPU(SoC)性能とメモリ容量が大きく影響します。
また、CPU(SoC)性能が高いと多くの動作でヌルサクで動くためストレスの軽減にも繋がります。
このような側面から考えると「Snapdragon 660」以上のベンチマークスコアを持つCPU(SoC)のスマホを買うことで安定して使うことが可能でしょう!