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Bluetoothのコーデックの音質と確認方法を徹底解説!!

Bluetoothのコーデックの音質と確認方法を徹底解説!!

AppleのAirPods以降、有線のイヤホンからBluetoothを用いたワイヤレスイヤホンが一気に普及しましたが、Apple製で互換バッチリなiPhone×AirPods以外の組み合わせ以外だとBluetoothのコーデックの確認が重要。

というのも、スマホとワイヤレスイヤホンでコーデックが合ってないと、「AAC」や「aptX」などの高品質で低遅延な接続ができず、音質が悪く遅延が多い「SBC」での接続されてしまうためです。

また、コーデックの種類も年々増えてきているので、ある程度コーデック毎の特徴を理解してないと選びににくいと状況といえるでしょう。

ということで、今回はスマホとワイヤレスイヤホンを選ぶときに超重要なコーデックの種類と確認方法について徹底的に解説していきます。

Bluetoothのコーデックとは?

Bluetoothのコーデックとは?

Bluetoothのコーデックとは、スマホや音楽再生プレイヤーなどのデバイスからワイヤレスイヤホンやヘッドホンなどに無線で音楽のデータを送るさいの符号化の規格です。

もう少し詳しく書くと、圧縮の規格でもあるので元の音楽データを圧縮エンコードしBluetoothで飛ばし、受信デバイスのイヤホンなどでデコードすることで音楽の再生をしています。

そのため、コーデックの違いにより、音質や遅延に違いが出るため、音楽や動画の視聴では、鯛意見が異なり、送信、受信デバイスが基本的に同じコーデックに対応してないと再生できないためコーデック選びは重要といえるでしょう!

再生までの流れ

ワイヤレスイヤホンとスマホの組み合わせでは、

  1. スマホのアプリで音楽を再生
  2. 再生された音楽の圧縮[エンコード]
  3. イヤホン側でアナログに復号[デコード]
  4. アナログ音源を増幅
  5. ドライバーで音楽の再生

の順番で再生され、コーデックが影響するのがエンコードとデコードの部分です。

音源を1回圧縮するためどうしても、音は劣化してしまいますが、この劣化の差がコーデックの違いとなります。

コーデックによる4つの違い

Bluetoothのコーデックによる違いは、以下の4つです。

  • リップシンクに影響する「遅延」
  • 劣化に影響する「圧縮効率」
  • 圧縮アルゴリズムにより変化する「音質」
  • 高いサンプリングレートで再生できる「ハイレゾ対応」

音とYouTubeなどの映像がずれる「遅延」は、コーデック以外にも通信環境に大きく左右されるため、環境が悪い場所でも遅延しにくいaptX LLやaptX adaptiveなどが注目されています。

また、「圧縮効率」が高ければビットレート下げても高音質を維持でき、「遅延」や「音質」にも影響するため、それぞれの要素が関連していると考えた方が良いでしょう。

Bluetoothのコーデックの種類と音質

Bluetoothのコーデック毎の音質と遅延比較

Bluetoothのコーデックは、現在Bluetooth機器で標準装備される「SBC」やQualcomm系の「aptX」「aptX LL」、iスマホで標準的に利用される「AAC」に加えハイレゾ対応の「aptX HD」「aptX Adaptive」「LDAC」など複数の規格が存在します。

規格により音質、遅延性など差があるのでまずはコーデック毎の特徴をコーデック毎に解説していきます。

全てに搭載される「SBC」

Bluetoothのオーディオ再生で使われるA2DPの必須コーデックが「SBC」。

そのため、送信受信問わずオーディオ再生用のBluetoothデバイスの全てに対応しているため、組合わせを意識せずに利用できる利便性があります。

しかし、他のコーデックと比べると圧縮率が低く圧縮のアルゴリズムも古いため音質面では劣ります。

また、音質より更に問題なのが遅延性能です。

「SBC」の場合、220msec前後(0.22秒)の遅延が発生し音楽の再生だけなら問題なくてもYouTubeやNetflixなどで動画を見る機会が増えてくると映像と音がずれるリップシンクが体感的に大きく影響してきます。

0.22秒のズレと数字だけみると一見短く見えますが動画と音で確認すると体感的に誰でもわかるレベルでズレるので、動画を見る場合は「SBC」以外のコーデックの組み合わせでワイヤレスイヤホンを選ぶのが良いでしょう。

次世代標準規格LE Audioの「LC3」

Bluetoothで標準的に使用されるSBCは、aptXなどの新コーデックと比べると現在では大きく見劣りするため、独自のコーデックが浸透してしまっています。

その現状を鑑みて開発されたLE Audioの新コーデックが「LC3」(Low Complexity Communication Codec)。

SBCと比較して、半分以下のビットレートで同等以上の音質を維持し、マルチ・ストリーム・オーディオに対応しているためリレー方式はもちろん、「TWS Plus」のように左右個別に同時伝送も可能といったようにかなりハイスペック。

更にブロードキャスト・オーディオ機能では、イヤホンなどの複数のデバイスに制限なく音声データを伝送もできるなど今までにない新機能も盛り込まれています。

とはいえ、すでにQualcommの「TWS Plus」や傍受方式の「TrueWireless Mirroring」、Airohaの「MCSync」の対応デバイスが普及しているので、今後どこまで採用が加速するか不透明です。

LC3plus

「LC3」のサブセットコーデックが「LC3plus」。

「LC3」の全ての性能に加えて、更に高音質で低遅延のモードを加えて、ハイレゾにも対応しています。

ほとんどのスマホで採用される「AAC」

iPhoneやiPadなどのApple製品で必ず、Androidでも殆どのスマホで採用されるのが「AAC」。

全コーデックの表で記載の通り128Kbpsと可変256Kbpsのビットレートの2つのモードが存在します。

128KbpsのAAC CBRであれば遅延も120msec程度と「SBC」より優れていますが、可変256KbpsのAAC VBRだと800msecと「SBC」以上に遅延が多いです。

iPhoneで利用されているのがどちらかは、公表されていないため不明ですが動画などでもリップシンクが殆ど起きない現状を考えるとAAC CBRまたは、再生を遅らせるなどの制御をしていると考えられています。

また、音質面ではMP3より高い圧縮率で高音質を目指して開発されただけに「SBC」を上回ります。

iPhoneやiPadのコーデックでは「AAC」が最上位になるので音質だけでなく使用感も考えると「AAC」対応はマストといえるでしょう。

逆にAndroidスマホの場合、後述する「aptX」が採用されているケースも多いため必ずしも「AAC」を選ぶ必要はありません。

Androidの標準「aptX」

CSRが開発しSoCの大手Qualcommがライセンスを持つ「aptX」は、音質も良く70msecの低遅延で普及率も高い最も使い勝手の良いコーデック。

特に音質面では「SBC」や「AAC」が人間では聞き取れない音や聞こえにくい音をカットすることで圧縮エンコードするのに対して、「aptX」は、ADPCM原理を利用し全ての周波数をエンコードする方式のため元の音に近いと言われています。

また、iPhoneでは使えないもののAndroidスマホではベースで搭載されてるのに加え、音ズレもほぼ感じないため、「aptX」を搭載するワイヤレスイヤホンを選ぶと快適に利用することが可能です。

ただし、ライセンス料が発生する受信側のワイヤレスイヤホンの場合、格安レベルのものは結構「aptX」が使えないケースが多いので必ず確認しましょう。

ハイレゾ対応「aptX HD」

「aptX HD」は、「aptX」のハイレゾ対応版コーデック。

ビットレートが352kbpsから576Kbps、サンプリングレートが48kHz/16bitから48kHz/24bitに変更されているので確実に高音質化されています。

その分、遅延が70msecから130msecへ増えているものの、AAC CBRと変わらないレベルなので凄さがわかりますね。

ハイレゾ対応のコーデックで比較的普及をしている「LDAC」と比べると音質では劣るものの、遅延の少なさなどから実用性は高く、電波状況の悪くなる外での音質に拘る人におすすめのコーデックです。

遅延と途切れに強い「aptX LL」Low Latency

「aptX LL」は、「aptX」の低遅延に特化したコーデック。

ビットレートは不明ながら、比較的遅延に強いと言われる「aptX」より更に約40%近く低遅延の40msecという全てのコーデックの中で圧倒的な数値を叩き出しいます。

そのため、ゲームの中でも音ゲーに分類されるジャンルに最適なコーデックといえるでしょう。

しかし、現状対応モデルが極端に少ないため選択肢がほぼないのが残念。

可変ビットレートで万能な「aptX adaptive」

ほとんどのコーデックが固定ビットレートで、ある程度音質と低遅延がトレードオフの関係になるのに対して、可変ビットレートを採用することで周囲の環境やアプリケーションに応じてビットレートを自動的に変化させる機能を持ったコーデックが「aptX adaptive」。

具体的には、ハイレゾに対応した24bit 48kHのサンプリングレートや音質を重視した最大420Kbpsのビットレート、低遅延を優先した276Kbpsまでを自動で可変してくれるコーデックとなっています。

また、遅延も50-80msecとハイレゾ対応を考えると驚異的に数値で、音質と低遅延を圧倒的に高い次元でバランスが取れているため、快適性に優れたコーデックといえるでしょう。

ただし、「aptX LL」同様、対応したイヤホンやヘッドホンが非常に少なく、送信側のスマホなどのデバイスの対応も現状ハイエンドモデルに限られるので、現実的に誰でも使える様になるのはまだまだ先になりそうです。

高音質を求めるな「LDAC」

「LDAC」は、SONYが開発推進しているハイレゾ対応、高音質特化型のコーデック。

最高音質ではビットレート990kbps、サンプリングレート96kHz/24bitを誇るので音質面では最高レベル。

一方遅延性能は公表されてないものの最高音質では遅延が1,000msecと言われており動画視聴ではズレが酷すぎて使い物にならないというデメリットも…。

また、Bluetooth Low Energyではデータレートがバージョン4.0や4.2で1Mbps、5.0が最大で2Mbps程度なので余程通信環境が良いか左右同時伝送などに対応してないと990kbpsのビットレートで音楽を楽しむことは難しいといえるでしょう。

そのため、「LDAC」は330kbps/660kbps/990kbpsの3つのビットレートが用意されていて音質は多少犠牲になるもののある程度不便なく利用することが可能となっています。

また、送信側ではSONY製のXperiaは勿論、Android8以降ではOS標準のコーデックの一つとなっており比較的対応している機種も多く、受信側のヘッドホンも高価格帯の製品やSONY製であれば対応していることもあるため、比較的選択肢は多くなっています。

通話専用の「aptX Voice」

「aptX Voice」は、音声通話用のコーデックでオーディオや動画鑑賞で利用はできません。

そのため、音声通話に特化したアルゴリズムで音の聞き分けなど声に対して明瞭な音質に特化しています。

また、「aptX Adaptive」の一部要素も使用上含まれているため、ワイヤレスイヤホンでの高音質な通話に期待が持たれているコーデックです。

現状では対応製品は発売されていないので、登場まで待ちましょう。

ファーウェイデバイスで揃える人限定の「HWA」

「HWA」は、ファーウェイが開発したハイレゾ対応のコーデック。

2018年にフラグシップモデル「Huawei P20 Pro」を中心にPシリーズから採用されました。

ハイレゾ対応の規格の中では、「LDAC」に近くビットレートが900Kbps、サンプリングレートが96kHz/24bitと高い帯域を確保した高音質なコーデックとなっています。

また、ゴールド/プラチナ/ダイヤモンドの3つの認証グレードが設定されており400Kbps/500・560Kbps/900Kbpsに分かれています。

「LDAC」と比べると遅延性に優れており、具体的には900Kbpsで300~400msec、500・560Kbpsで150~200msec、400Kbpsで50~100msecと優れた低遅延性を実現しています。

しかし、ファーウェイ主導ということもあり送信のスマホ、受信側のイヤホン双方ともに選択肢が限られるだけでなく、日本では将来的に増える見込みもないので汎用性が低く選択肢からは外すのが無難です。

サムスンデバイスで揃える人限定の「Samsung Scalable Codec」

「Samsung Scalable Codec」は、スマホで世界No.1のシェアのサムスンが開発したコーデック。

遅延性能は不明ながら、96kHz/24bitのサンプリングレートでハイレゾに対応し、低遅延のゲームモードにも対応しているため、「aptX adaptive」のような可変ビットレートにも対応していると思われます。

また、「Galaxy7」以降のスマホと「Galaxy Buds+」以降のイヤホンなら殆ど対応しています。

音質に極振りした「UAT」

中国のオーディオメーカーHiBy Musicが開発してコーデックが「UAT」。

192kH/24bitの圧倒的に高いサンプリング周波数を誇るので、高い音質は期待できますが、実質DAPにしか採用されていないため、スマホで利用することはできません。

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Bluetoothのコーデックのスペック一覧

Bluetoothのコーデック一覧

続いて、各コーデックのスペックを表にして一覧で以下にまとめたので比較してみてみましょう!

SBC AAC aptX aptX HD aptX LL aptX Adaptive LDAC aptX Voice HWA
特徴 Bluetooth標準コーデック
・音質と遅延に難有り
iPhoneでメインに採用されるコーデック
・音質は良いが規格的には大遅延
実質的にAndroidの標準コーデック
・比較的く音質で低遅延
ハイレゾ対応コーデック
・高音質で遅延も少なめ
低遅延性能に優れたコーデック
・aptXの更に低遅延版
可変ビットレートであらゆる環境に対応したコーデック
・接続環境に合わせて高音質重視~低遅延重視まで自動で判断
ハイレゾ対応の最高音質のコーデック
・音質は良くても遅延も多い
・Xperiaを中心に採用される
音声通話特化コーデック
・2020年中に出荷予定
実質ファーウェイ独自規格のコーデック
・LDAC並の高音質
遅延 220msec 120msec[CBR]
800msec[VBR]
70msec 130ms 40msec 50-80msec 1000msec
[非公表]
不明 50~100msec
150~200msec
300~400msec
ビットレート 328kbps 128Kbps
可変256kbps
384Kbps 576kbps 不明 276kbps~420kbps 330kbps/660kbps/990kbps 不明 400Kbps/500・560Kbps/900Kbps
サンプリングレート 48kHz/16bit 48kHz/16bit 48kHz/16bit 48kHz/24bit 48kHz/16bit 48kHz/24bit 96kHz/24bit 不明 96kHz/24bit
ハイレゾ 非対応 非対応 非対応 対応 非対応 対応 対応 非対応 対応

 

残念ながらiPhoneでは使うことはできないものの、「aptX Adaptive」がスペック的にはバランス取れてるうえ、対応したイヤホンも徐々に出てきているので、現状ベストに近いですね。

また、Androidの場合国内だとQualcommのSoCを搭載したスマホが殆どのため、「aptX」が1番選択しやすいでしょう。

あとは最も気になるのは、「LC3」。
2021年には対応イヤホンも出てくるので期待大です。

Bluetoothのコーデックの確認方法

Bluetoothのコーデックとスマホとイヤホンの関係性

Bluetoothのコーデックは、送信側のデバイスでデータをコーデックに基づきエンコードし受信側のデバイスでデコードという流れで音楽を再生しているため、必ず信側と受信側では同一のコーデックでないと再生することができません。

そのため、ワイヤレスイヤホンを購入する送信側のデバイスが、どのコーデックに対応しているか確認する必要があるので、確認方法を解説していきます。

Android

BluetoothのコーデックをAndroidで確認する方法

Androidスマホを購入時コーデックを確認して買う人は少ないと思うので、必ずスマホの対応コーデックを確認してから、ワイヤレスイヤホンを購入しましょう!

Androidのコーデック確認方法は以下の通り。

  1. 本体設定を選択
  2. 端末情報からビルド番号を7回タップし開発者向けオプションを開放
  3. システムを選択
  4. 開発向けオプションを選択
  5. Bluetoothオーディオコーデックを選択
  6. 対応コーデックの確認

確認するには開発者向けオプションを開放する必要ため、端末情報からビルド番号を7回タップすることで開放できます。

特に「aptX Adaptive」のイヤホンが欲しい場合、メーカーや採用されるSoCによってスマホの対応状況が異なるため必ず確認しましょう。

iPhone

iPhoneは確認するまでもなく、「SBC」と「AAC」のみ対応です。

そのため、ハイレゾ音源をワイヤレスイヤホンで聴くことはできません。

Windows

Windowsの場合、「Windows10」以降であれば「SBC」と「AAC」に加えて、「aptX」まで対応しています。

「Windows10」未満は、「SBC」と「AAC」のみです。

Mac

Macの場合もiPhone同様「SBC」と「AAC」のみ対応ですが、Mac OS Catalina/v10.15.2以降の場合以下の手順で「aptX」を利用可能です。

  1. BluetoothをOFFにする
  2. ターミナルを起動
  3. 「sudo defaults write bluetoothaudiod “Enable AptX codec” -bool true」をコピペ
  4. パスワード入力
  5. BluetoothをONにする
  6. 「aptX」対応イヤホンと接続
  7. optionキーを押しながらBluetoothアイコンをクリック

イヤホンを選択しaptXが有効なコーデック欄に表示されているのを確認したら完了です。

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Bluetoothのコーデックまとめ

Bluetoothのコーデックは、iPhoneの場合「AAC」、Androidの場合「aptX」がベースのコーデックとなっており、ハイレゾでは「LDAC」の選択肢が多いです。

近年ではQualcommの「aptX」系統で優れたコーデックも徐々に増えては来ているものの高額だったりすることが多いため、「aptX」や「AAC」を最低基準でイヤホンを選ぶと比較的快適に利用できるでしょう!

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