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TWSとは?完全ワイヤレスイヤホンの伝送方式を徹底解説!!

TWSとは?完全ワイヤレスイヤホンの伝送方式を徹底解説!!

AirPodsの登場以降、急速にワイヤレスイヤホンが普及しましたよね。

その中でも、AirPodsの様な左右のイヤホンが完全に分離したタイプの人気が年々高くなってきています。

しかし、左右が独立したイヤホンはスマホからの伝送方式が複数あり、連続再生時間や安定性に加え、片耳だけバッテリー減少が速いなんてことも…。

ということで、今回はTWS(完全ワイヤレスイヤホン)の伝送方式の種類と特徴を徹底解説していきます。

TWSとは?

TWSとは?

そもそも「TWS」とは、「Truewireless Streo」の略で日本語では完全ワイヤレスイヤホンと呼ばれるものを指します。

ワイヤレスイヤホンの中には、上記画像のような左右が完全に独立しているイヤホンの他にも、ネック式や左右でコードが繋がっているタイプのイヤホンなど多数の存在。

その中でも完全に左右が独立しているワイヤレスイヤホンが「TWS」の括りです。

また、「TWS」に限らずワイヤレスイヤホンは有線に比べて必ず遅延が発生します。

遅延については音質と一緒に、「Bluetoothのコーデックの音質と確認方法を徹底解説!!」にて記事にしているのでご覧くださいませ。

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TWSの伝送方式の種類と特徴

「TWS」に限らずワイヤレスイヤホンは、Bluetoothでスマートフォンなどの発信デバイスから受信側のイヤホンへ音楽データを伝送しています。

音楽データは多くの場合、左右で異なった音を出力するステレオ音源となっており、受信側でデコードすることで左右に分離したステレオ音源としてイヤホンから再生しています。

そのため、左右がコードで繋がったタイプや、ネックバンドタイプの場合、消費電力的にも安定性的にもそれほど問題ありませんが、完全に左右が分離している「TWS」の場合、左または、右で受信したものをデコードして片方に再度発信するという流れで再生するのが一般的です。

そのため、片方のイヤホンだけが消費電力多くなり安定性もかけるなどの課題多いです。

しかし、近年ではこれらの課題を克服する、左右同時伝送や左右独立伝送などがでてきているので、既存の伝送方式と併せて解説していきます。

標準仕様で片方から片方へ伝送する「TWS」

標準仕様で片方から片方へ伝送する「TWS」

「TWS」で標準的に使われる伝送方式が、片方のイヤホンへまとめて伝送する方式です。

この方式の場合、片方から片方へ再度データの受け渡しが必要な為、消費電力的にも、遅延や安定性的にもかなり不利な方式といえるでしょう。

発信デバイスからの受信と片方のイヤホンへの送信も行う必要がある親機になるイヤホンは、バッテリーの消費も早くなり子機がバッテリー残量に余裕がある状態でも充電が切れてしまうことが欠点です。

また、Bluetoothの場合、出力が弱く片方のイヤホンからもう片方へ伝送するさい人間を通過して伝送を行うことが出来ないため、図のように頭部を迂回するように電波を飛ばすことで、接続の安定性をあげています。

しかも、Bluetoothは、電波の直進性が比較的強い2.4GHzを使っているため迂回に優れた帯域でもなく、安定性に関してはメーカー側のアンテナの配置や形状の工夫、方向や出力などの制御技術に大きく影響を受けるため、メーカーやデバイスにより同じスペックでも使用感に大きく差が出ているのです。

とはいえ、近年のノウハウが溜まってきたためか安定性が上がり、中には左右で親と子の役割をバッテリー残量を加味し切り替える機能「ロールスワッピング」を搭載したモデルも出てきており、大手メーカーの製品などでは比較的問題なく使えるケースが多くなっています。

左右独立伝送の「TWS Plus」

左右個別に受信する「TWS Plus」

「TWS Plus」は、クアルコムが開発した、「TWS」における新しい伝送システムです。

そもそも、「TWS」ではいくらノウハウや技術が上がっても仕組み上、スマートフォンなどの発信側デバイスと受信側のイヤホンだけでなく、イヤホン同士の伝送が必要となるため物理的な課題はそのままでした。

そんな中登場した、「TWS Plus」は、図のようにスマートフォンなどからデータを発信する時点で左右で振り分けて伝送を行うように設計されています。

そのため、物理的に無駄に思えるイヤホン間での伝送や安定性に影響していた迂回に関しては完全に克服できているため、安定性は大幅に改善。

更に、左右それぞれと伝送するため帯域的に余裕ができ、途切れにくくなるだけでなく、親機と子機の役割がなくなることで連続再生時間の伸びにも期待が持てます。

唯一の欠点は、スマートフォンなどの発信側デバイスと受信側のイヤホンの双方が「TWS Plus」に対応している必要がある点です。

現状、スマートフォン側では、Snapdragon 845/855/720Gを搭載した一部の端末しか実質利用できない致命的な欠点があります。

また、イヤホン側では、クアルコムのQCC5121とQCC5125などのハイエンドイヤホン向けのQCC5100シリーズやミドル~ローエンド向けのQCC3020/3026のチップを採用しているイヤホンでなければ利用することができません。

スマートフォンもイヤホンもまだまだ選択肢が少なくスマホ側の対応が進まないことに加え、スマホ側に制限のない実質的な後継技術「Qualcomm TrueWireless Mirroring」が登場していることから普及する前にフェードアウトする可能性も高いでしょう。

「TWS Plus」や「Qualcomm TrueWireless Mirroring」について詳しく知りたい場合は[「TWS Plus」とは?Qualcommの左右同時伝送方式を徹底解説!!]をご覧くださいませ!

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NFMI(近距離磁気誘導)で左から右に伝送する「MiGLO」

NFMI(近距離磁気誘導)で左から右に伝送する「MiGLO」

「MiGLO」は、NXP Semiconductorsが開発した、親機と子機間の伝送方式で、「TWS」がBluetoothを用いた電波で伝送していたのに対して、NFMI(近距離磁気誘導)という磁気誘導方式で伝送を行います。

NFMIは、元々両耳タイプの補聴器向けに開発された技術で、低い周波数の磁気を使うため、水分が多い人体でも吸収されにくく、Bluetoothで使われる電波と異なり、迂回する必要がなく左右へ直線距離で伝送が可能です。

更に、消費電力や遅延の部分でもBluetoothより優れているため「TWS」に変わる技術として注目を集めています。

また、「TWS Plus」の左右別々に伝送する方式とは異なり親機までの伝送は、「TWS」と同じ方式で伝送されるため、スマートフォンとイヤホンの双方が「MiGLO」に対応している必要がなく、「MiGLO」対応しているイヤホンを購入すれば、デバイスに縛りがなく選択肢が増える点が大きなメリット。

傍受方式で送信側に縛りがない「左右同時伝送方式」

「TWS」がスマートフォンから片方のイヤホンに伝送、「TWS Plus」が送信と受信それぞれ対応チップが必要などの課題がある中で、SONYやAirohaの「MCSync」を採用したTaoTronicsも左右同時に伝送する技術を実装しています。

SONYの「左右同時伝送」やTaoTronics「MCSync」などの凄いところは、「TWS Plus」と異なり、傍受方式を採用することで受信側のデバイス、即ちイヤホン側だけ対応していれば利用できる点です。

スマートフォンなどの送信側にも「TWS Plus」の様にセットで対応を求める技術ではないので、送信側のデバイスに囚われることなく左右それぞれに伝送してくれる汎用性の高さが魅力といえるでしょう。

また、2020年には「TWS Plus」を開発した、Qualcommも傍受方式の「Qualcomm TrueWireless Mirroring」に対応したモデルも出てきているため、傍受方式が一般的になっていくと思われます。

傍受方式の左右同時伝送に対応した方式

  • Airohaの「MCSync」
  • Qualcommの「TrueWireless Mirroring」
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TWSに関連する技術

TWSに関連する技術

ここまで、「TWS」の伝送方式の種類や特徴について解説してきましたが、「AppleのAirPodsはなに使ってるんだ」っと考えたことでしょう。

AirPodsは傍受式の左右同時伝送を採用していますが、秘密主義のAppleらしく詳しい情報は公開されていません。

また、AirPodsといえば高速ペアリングが有名ですが、近い技術にGoogleの「Fast Pair」があるので併せて紹介していきます。

初代AirPodsで採用される「W1チップ」

AppleのAirPodsは、「MCSync」と同様、傍受式の左右同時伝送で音楽データをイヤホンに届けています。

また、Apple製品の専用ハード「W1チップ」により簡単かつ高速なペアリングやiCloudのアカウントを利用することで同一アカウントのデバイス間を簡単切り替えらられるなど実利用において優れた利便性を発揮します。

第2世代AirPods「H1チップ」

AirPods 2と呼ばれる最新モデルに搭載されるは、「H1チップ」。

「W1チップ」と来たので「W2チップ」と来そうですが、「W2チップ」は、Apple Watch series3に採用されています。

また、「H1チップ」を採用するAirPodsは、「Hey,Siri」と話しかければタップをする必要なく音声アシスタントが利用可能。

iPhoneとAirPods間の伝送に関しても「W1チップ」と同様、左右同時伝送で非常に安定しています。

Androidとの連携用「Google Fast Pair」

AndroidスマホやChromebookとの高速ペアリングを実現する技術が「Fast Pair」。

「Fast Pair」は、Appleが専用ハードの「W1チップ」や「H1チップ」を搭載することで実現している高速ペアリングをBluetooth Low Energyプロトコルと位置情報を組み合わせることで実現しています。

また、高速ペアリングだけでなくGoogleアカウントを利用することでAndroidスマホやタブレット、Chromebook間で同時接続が可能です。

更に、AndroidスマホはAndroid6.0以上であれば全ての機種で利用できるため汎用性も高く、ワイヤレスイヤホンの利便性をAirPodsレベルまで引き上げられるため個人的には非常に期待しているのですが、今の所対応したワイヤレスイヤホンはGoogleの「Pixel Buds」や、AnkerやJBLなどの一部イヤホンに限られるので一般的になるまでまだまだ時間は掛かりそうです。

レビューした「GoogleFast Pair」の対応でモルは、[COUMI「Ear Soul TWS-817A」]ですので、興味があればご覧くださいませ。

TWSについてまとめ

完全ワイヤレスイヤホンは、コードが完全にないため見た目的にも実用的にも優れているものの、AirPodsの除きもっと快適に利用できる要素が多いですね。

「TWS Plus」やGoogle「Fast Pair」がほぼ標準的になってくる頃には今以上に使い勝手が良くなるでしょう!

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