スマートフォンや複数のモバイル端末をハードに使う人には欠かせない大容量タイプのモバイルバッテリー。
各メーカーから多種多様な大容量タイプのモバイルバッテリーが出ており、それぞれ充電が早かったり持ち運びに便利だったりと様々です。
大容量とはいえ、バッテリーの消耗が激しいだけに買い替えを検討する人も多いはず。
特に「10,000mAh」クラスの大容量な物は購入者も多いだけに種類も半端じゃなくどれが良いのかわからなくなる場合も…。
とうことで、今回はモバイルバッテリーの大容量タイプに分類される激戦区「10,000mAh」クラスと「20,000mAh」クラスに分けて徹底的に比較していきます。
モバイルバッテリー大容量タイプの比較項目

比較をする前に選び方にも通じる性能の比較するポイントについて解説していきます。
ポイントになるのは下記の4つです!
①「急速充電」の種類や性能
②「インターフェイス」の数や種類
③「デザイン」や「形状」
④ワイヤレス充電やプラグなどの「機能性」
⑤コスパに影響する「販売価格」
※今回はノーブランド品などの信頼性が低いメーカーは省いた上で容量を揃え性能を比較するので実容量や充電効率、容量の視点を視点を外しています。
選び方の詳細なども気になる方は下記の記事をご覧頂けると幸いです。

①「急速充電」の種類や性能
近年のモバイルバッテリーの多くは、なにかしらの急速充電の機能を持っています。
そもそも急速充電はバッテリーへの負荷を抑えつつ大きな出力で給電するのでただの大出力とは異なり、充電容量の20%未満や80%以上の時は低い出力で給電し、20~80%(特に40~60%)時に高い出力を出すことでフレキシブルに出力し負荷を減らしています。
実際に使われる急速充電の規格は、大きく分けると業界標準の「USB-PD」やQualcommの「QuickCharge」、モバイルバッテリーメーカーの「独自の規格」に分類できます。
特に技術力の高いメーカーの「独自の規格」は、「USB-PD」や「QuickCharge」と互換性も持っているためユーザー側が意識する必要がなく非常に優れたユーザビリティーなのでもっとも優れていると言えるでしょう。
また、急速充電についての詳細なども気になる方は下記の記事をご覧頂けると幸いです。

②「インターフェイス」の数や種類
モバイルバッテリーに給電するための出力端子や、バッテリー自体に充電するための入力端子がついています。
当然、ポート数が多ければ複数台のスマホやタブレット同時に給電を行えるなどのメリットもあるため同サイズ、同重量であればポート数は多いに越したことはありません。
また、実際に使うに当たって以外と重要なのはインターフェイスの種類です。
基本的に使われる種類は出力端子の「USB/typeA」、入力端子の「USB/Micro B」、入出力可能な「USB/typeC」の③種類の組み合わせになります。
現状殆どのスマホが「USB/typeC」を使っているので、充電器との切り替えの煩わしさを考えると「USB/typeC」端子が搭載されたモデルが使い勝手が良いと言えるでしょう!
③「デザイン」や「形状」
モバイルバッテリーの重量やサイズに関しては、バッテリー容量に比例するので大きな違いは出ません。
しかし、素材や質感を含めたデザインや形状はメーカーや商品のコンセプト次第で大きく変わります。
形状的には2つのタイプに分けられ、一つは18650などの既製品を使った厚みが有り横幅が狭いもの、2つ目は比較的設計が自由なアルミラミネートフィルムを採用したスマホのような薄型の板状タイプです。
使い方によってどちらのタイプが良いか左右されますが、モバイルバッテリーとスマホをかせながら充電して使う場合は、板状の方が良いでしょう。
④ワイヤレス充電やプラグなどの「機能性」
モバイルバッテリーに最近増えてきた機能に「ワイヤレス充電」「コンセントプラグ付き」「ケーブル内蔵」があります。
この機能性に付いてはサイズや価格とトレードオフの部分があるので一概にはおすすめできません。
特に「コンセントプラグ付き」でサイズと重量が大幅に増えてしまう点と「ケーブル内蔵」の場合ケーブルの交換が出来ないため劣化の早いケーブルの場合は断線がデメリットになるためです。
また、SONYなど一部メーカーやモバイルバッテリーのみ搭載されるパススルー機能については、入力端子に充電器を差し込んだまま出力端子でスマホなどへの給電が行なえ、スマホの重電が終わると自動的にモバイルバッテリーの重電が行われるため非常に優れています。
⑤コスパに影響する「販売価格」
性能に対しての価格は最も重要な要素。
どんなに性能や機能性が良くても、他と比べて数倍の価格だとコストパフォーマンスは悪くなってしまいます。
同時にAmazonなどでは激安のモバイルバッテリーなども販売されていますが、実際の容量や安全性を考えるとコスパはそれほど高くはありません。
また、モバイルバッテリーは機会式の時計などと違い消耗品なので極端に高いものは選ばす価格や性能や質感を含めたデザインなどのトータルのコスパをみると良いでしょう。
モバイルバッテリー大容量タイプの性能をチェック
モバイルバッテリーで大容量タイプと言われる物は10,000mAh以上です。
まずは、信頼性が高い「Anker」「cheero」「RAVPower」の中から人気が高く売れている6機種の紹介をしていきます。
- Anker「PowerCore Speed 10000 QC」10,000mAh
- Anker「PowerCore II 10000」10,000mAh
- Anker「PowerCore 20100」20,100mAh
- cheero「Power Plus 5」10,000mAh
- cheero「Bloom 10000mAh」10,000mAh
- RAVPower「RP-PB172」20,000mAh
Anker「PowerCore Speed 10000 QC」

Anker Power CoreSpeed 10000 QC | |
①急速充電 | 5~3V=3A、8~10V=2.4A、10~12V=2A [Power IQ][VoltageBoost][Quick Charge3.0] |
②インターフェイス | USB/TypeA×1 Micro USB×1 |
③デザイン 重量 サイズ |
標準デザイン[Black/WHITE] 198g 約100mmx 63mmx 22mm |
④機能性 | 特になし |
⑤価格 | 約2,999円 |
Anker「PowerCore Speed 10000 QC」は「Quick Charge3.0」を搭載しているので、最大18Wの最大出力に対応したモデル。
「Quick Charge3.0」は、日本のAndroidスマホの多くが対応しているため、殆どの場合質の高い急速充電が可能になります。
また、「Quick Charge3.0」対応のモバイル端末を持っていなくても「PowerIQ」によってモバイルバッテリー側で端末を判断し充電を通常よりも効率よく充電してくれるので非常に便利です。
コスパの視点でみても「Quick Charge3.0」が対応してないAnker「PowerCore 10000」と比較しても200円程度の差なので優れているのがわかります。

Anker「PowerCore II 10000」

Anker「 PowerCore II 10000」のスペック | |
①急速充電 | 5V=2A 9V=2A[PowerIQ 2.0] |
②インターフェイス | USB/TypeA×1 Micro USB×1 |
③デザイン 重量 サイズ |
標準デザイン[Black/WHITE] 195g 96mmx 62mmx 22mm |
④機能性 | 特になし |
⑤価格 | 約3,600円 |
Anker「PowerCore II 10000」は、Anker独自規格の「PowerIQ 2.0」を搭載することで従来以上に幅広いスマホの急速充電に対応モデル。
「PowerIQ 2.0」に進化したことでモバイルバッテリーの充電をする際にも「Quick Charge3.0」対応の充電器で充電した場合は最短で4時間で充電が完了するため、スマホやモバイルバッテリーの充電サイクルが早い人にも最適です。
デザイン的にもバッテリー残量のインジケーターが円形で分かりやすく、本体もストライプメッシュの加工となっていて格好よく持ちやすくなっています。
ただ価格の視点からみるとAnker「PowerCore Speed 10000 QC」より600円ほど高くなるのでコスパはそれほど良いとは言えません。

Anker「PowerCore 20100」

Anker「PowerCore 20100」のスペック | |
①急速充電 | 1ポート 5V=2.4 最大5V=4.8A [PowerIQ] |
②インターフェイス | USB/TypeA×2 Micro USB×1 |
③デザイン 重量 サイズ |
標準タイプ[ブラック] 356g 約166mmx 58mmx 22mm |
④機能性 | 特になし |
⑤価格 | 約4,500~5,000円 |
Anker「PowerCore 20100」は、20,000mAhクラスモバイルバッテリー。
出力端子は同時充電が出来るUSB/TypeAが2ポート、入力端子がMicro USBの1ポート、そして急速充電の「PowerIQ」を搭載しています。
オードソックなタイプで明確な特長はないですが、標準的な機能を持ちつつ値段も安いです。
20,000mAhクラスになるとノーブランド品などを除くと5,000円以上は当たり前の中この5,000円未満で購入できる点は非常に優位でしょう。
Amazonのセールでさらに安くなっている場合も多いので「20,000mAhクラスのモバイルバッテリー欲しいけど…どれにしたら良いだろう…」と悩んでる人に安心のモバイルバッテリーです!

cheero「Power Plus 5 」

cheero「Power Plus 5」のスペック | |
①急速充電 | 5V=3A、9V=2A、12V=1.5A[最大入力18W](2ポート合計) USB-PD Auto-IC[cheero独自] |
②インターフェイス | USB/TypeA×1 USB/TypeC×1 |
③デザイン 重量 サイズ |
スクエア型標準タイプ[アルミ] 205g 98mmx 46mmx 24mm |
④機能性 | デジタルパーセンテージ表記/2台同時給電 |
⑤価格 | 約3,500円 |
cheero「Power Plus 5 」は、モバイルバッテリーは珍しくアルミボディーを採用しているため、他のモバイルバッテリーと比べると桁違いに質感が良いです。
また、cheero独自規格の急速充電のAuto-ICに加え、業界標準の「USB-PD」対応しているため多くのデバイスで急速充電による給電を使うことができます。
また、接続端子は2ポートとシンプルに、そしてUSB/TypeCに対応することでUSB/typeAを加えた2台同時給電も可能な点もサイズを考えると素晴らしい。
更にバッテリーの残量もデジタル表記で、とても見やすく使いやすくなっています。
価格も踏まえて考えるとコスパがかなり高い1台といえるでしょう!

cheero「Bloom 10000mAh」

cheero「Bloom 10000mAh」のスペック | |
①急速充電 | USB TypeC:5V=3A max USB TypeA(×2ポート):5V=2.4A max Auto-IC[cheero独自] |
②インターフェイス | USB/TypeA×2 USB/TypeC×1 USB/Micro B×1 |
③デザイン 重量 サイズ |
薄型タイプ[ブラック、ブルー、ピンク、ホワイト] 245g 142mmx 74mmx 15mm |
④機能性 | 3台同時給電 |
⑤価格カラー | 約1,980円 |
cheero「Bloom 10000mAh」は、同クラスのモバイルバッテリーに比べ若干サイズや重量が大きいものの、インターフェイスの豊富さを活かし3台同時給電ができる機能性に優れたモバイルバッテリーです。
急速充電に関しては「Auto-IC」なのでAnkerの[Power IQ]と同じくそれほど性能は高くはありませんが3大同時給電でも5V/3.4Aで出力は可能なのでギリギリ実用範囲。
また、「Auto-IC」は、接続されたデバイスに応じて最適な出力で給電してくれるので利用側で特に意識する必要はありません。
そして最も恐ろしいのが価格でなんと1,980円で販売しています。
急速充電で劣る部分はあるもののUSB/typeCのポートが搭載されて、なおかつ合計ポート数が4つもあるモバイルバッテリーは最強レベルのコスパといわざるえないでしょう。

RAVPower「RP-PB172」

RAVPower「RP-PB172」のスペック | |
①急速充電 | USB/TypeA(iSmart ):5V=2.4A USB/TypeA(QC):5V=3A 9V=2A 12V=1.5A 最大18W TypeC(PD)※入出力:5V=3A 9V=2A 12V=1.5A 最大18W 合計最大出力:5V=3A 15W [iSmart 2.0](RAVPower独自規格) [Quick Charge3.0](Qualcomm) PD(Power Delivery) |
②インターフェイス | USB/TypeA×2 USB/TypeC×1 USB/micro B Lightning |
③デザイン 重量 サイズ |
標準タイプ[ブラック] 420g 約165.5mx 78.5mmx 23.5mm |
④機能性 | Lightning パーセンテージデジタル表示 |
⑤価格 | 約4,500円 |
RAVPower「RP-PB172」は20,000mAhのモバイルバッテリーです。
RAVPowerは最も売れる10,000mAhのモバイルバッテリーに力を入れてませんが、20,000mAhクラスではぶっちゃけ圧倒的です。
なぜなら、約4,500円というノーブランド品などを除くと最安クラスの価格に、接続端子には「Lightning、USB/TypeC,micro USB」と幅広く対応、そして急速充電も「USB PD、Quick Charge 3.0、iSmart 2.0」を搭載していてほぼ万能という驚異的な性能を誇ります。
また、黒を貴重としたデザインで、バッテリーの残量の表示をLEDでパーセンテージ表示するなど欠点が見当たりません。
更に、Lightningケーブルでモバイルバッテリー本体の充電ができるのもiPhoneを使っている人にはポイント高いのではないでしょうか。
20,000mAhタイプでこれだけの機能があり、約5,000円未満と安価なので間違いなくおすすめです!
モバイルバッテリー大容量タイプを徹底比較
ノミネートしたモバイルバッテリーを比較項目別に比べていきます。
①急速充電はcheero「Power Plus 5 」かRAVPower「RP-PB172」
急速充電の項目では、「USB-PD」に対応しているcheero「Power Plus 5 」とRAVPower「RP-PB172」が優れています。
それぞれ10,000mAhと20,000mAhと容量が異なるため急速充電を重要視する場合は、容量に合わせて選択することのが最適。
また、現状では「QuickCharge3.0」が使えるAnker「PowerCore Speed 10000 QC」やAnker「PowerCore II 10000」なども悪くはないですが、業界標準としてシェアが広がっている「USB-PD」と比べると将来的には分が悪いです。
その他にも「USB-PD」に対応しているということは、USB/typeCも採用されているのでスマホが軒並みUSB/typeCになっている時点で使い勝手もAnker「PowerCore Speed 10000 QC」やAnker「PowerCore II 10000」では一歩及びませんね。
②インターフェースはRAVPower「RP-PB172」
インターフェースの数や種類は圧倒的にRAVPower「RP-PB172」です。
USB/TypeA、USB/TypeC、USB/micro Bと主要な端子を全て備えているだけでなくiPhone用のLightningまで入力端子として備えています。
しかも、超低価格なので圧倒的です。
次点でcheero「Bloom 10000mAh」、Lightning端子こそないものの主要端子は全て備えた上で2,000円未満という圧倒的な価格を実現しています。
③デザインはcheero「Power Plus 5 」
デザインは圧倒的にcheero「Power Plus 5 」と言って良いでしょう。
モバイルバッテリーの多くがプラスチック製の中アルミボディーを採用しているため質感や見た目が桁違いに良いです。
しかも、バッテリー残量表示もパーセンテージ表記のデジタル式を採用しているため実用性も抜きに出ています。
④機能性は拮抗
今回選んだ機種は機能的に特別抜きに出たモバイルバッテリーはないので拮抗していますが、総合的にはLightning端子やデジタル表示のバッテリー残量のRAVPower「RP-PB172」が優位でしょう!
⑤価格はcheero「Bloom 10000mAh」かRAVPower「RP-PB172」
価格に関しては、cheero「Bloom 10000mAh」かRAVPower「RP-PB172」が圧倒的に低価格です。
しかし、機能や性能を考慮したコストパフォーマンスではRAVPower「RP-PB172」が他を圧倒します。
また、10,000mAhクラスではcheeroの「Power Plus 5 」とcheero「Bloom 10000mAh」がコスパに優れているといえるでしょう。
モバイルバッテリー大容量タイプのまとめ
モバイルバッテリーでも評価軸を合わせて性能を比較してみると、思った以上に差があることがわかります。
各項目の性能を主軸にコストパフォーマンスを考えるとRAVPower「RP-PB172」の圧倒的優秀さがわかりますね。
20,000mAhクラスでは一択といえるレベルです。
また、10,000mAhではcheeroが強く低価格のcheero「Bloom 10000mAh」も標準的な価格のcheeroの「Power Plus 5 」もそれぞれコストパフォーマンスに優れた作りになっていますね。
逆に最も有名で売れているAnker製のモバイルバッテリーは、上記2社に比べるとどのモバイルバッテリーも若干コストパフォーマンスに劣っていることがわかります。
特にUSB/typeC端子と「USB-PD」に切り替えが上手く言ってない印象がありAnkerの場合「USB-PD」対応モデルだと4,000円をオーバーしている状態です。
とはいえ、バランスの良い作りをしているため今後に期待です。
