Androidのスマホは、iPhoneと異なり同じOSのはずなのにメーカーを変えると微妙にUI(ユーザーインターフェース)が異なっていたり、使える機能も違う場合もあります。
なぜ、このような事がおきるかというと、バージョンによる違いの場合もありますが、多くの場合AndroidというスマホのOSをメーカー側でカスタムしているために起こる現象です。
大手にメーカーだとほとんど独自にカスタムされたOSでアップデートの保証も長い一方、小規模メーカーなどはアップデートなどの不安点が有ります。
そこで小規模メーカーでも安心して購入できる仕組みとして誕生したのが、Googleがアップデートを保証するAndroid One。
ということで、今回はAndroid OneとはどのようなOSなのか?メーカー製のカスタムOSに対してどのような違いがあるのか比較しながら徹底解説していきます。
Android Oneとは?
Android Oneは、元々小規模メーカーや激安スマホを販売するメーカーがAndroidのメジャーアップデートやセキュリティーアップデートを行わない問題を解決するプロジェクトとして始まりました。
具体的には、GoogleとメーカーはOEMに近い関係になり、メジャーアップデートを24ヶ月、セキュリティーアップデート36ヶ月間は毎月1回、Googleが提供してくれるスマホをAndroid Oneと呼びます。
ローエンドの中でも格安で小規模メーカーのAndroidスマホは、メジャーアップデートはもちろん、セキュリティーアップデートもしないこともあるので非常安心できるプログラムです。
また、当初ローエンドなどから始まったAndroid Oneもミドルレンジやハイエンドに相当するモデルまで登場し幅広いスペックから選択可能になりました。
そのため、メーカー製のカスタマイズされたOSを嫌う一部のギーク層からも人気があります。
Android Oneの特徴
Android Oneは、ピュアAndroidを搭載したスマホやメーカー製カスタマイズを施されたOSと異なり以下の5つ特長があります。
それぞれメリットとデメリットがあるのでまとめて解説していきます。
- 「24ヶ月」間に1回以上のメジャアップデート
- 「36ヶ月」間の月に1回のセキュリティーアップデート
- 安心のピュアAndroid
- プリインストールアプリが最低限
- メーカー間でUIの統一
①「24ヶ月」間に1回以上のメジャアップデート
Android Oneは、近年の大手メーカーのSIMフリースマホと同等以上にOSのメジャアップデートが発売日から24ヶ月保証されています。
また、24ヶ月以上に1回以上のアップデートとありますが、あくまでAndroid Oneの最低保証であり多くの場合それ以上のアップデートの提供を受けられる可能性もあるので安心して利用可能です。
キャリアから販売されているスマホの場合、Google Pixelを除きメーカーのカスタマイズ、更にキャリア仕様のカスタマイズが施されているケースが多くアップデートまで時間がかかる上、ほとんどされないケースも珍しくないので、新しいOSが好きな方には、良い仕組みといえますね。
②「36ヶ月」間の月に1回のセキュリティーアップデート
非常にシビアな問題のセキュリティーもAndroid Oneでは、36ヶ月間の長い間月に1回セキュリティーのアップデートを受け取る事ができます。
これは大手メーカーでも殆ど実現できてないことでAndroid Oneの大きめメリットと言えるでしょう。
実際、毎月セキュリティーのアップデートをしてくれるスマホってGoogleのPixelシリーズぐらいですからね…。
③安心のピュアAndroid
カスタマイズされてないピュアなAndroidが採用されているため、メーカー間での違いが殆んどなくメーカーを変えてもスムーズに操作することが可能です。
また、ピュアなAndroidだけに、SoCにも寄りますが比較的動作が軽く安定性が高い傾向にあります。
また、カスタマイズされていないという部分ではメリット・デメリット双方有り、Googleが考えるシンプルな操作体系が好みの場合メリットになりますが、逆に特定のメーカーのUIや機能が好きな場合デメリットになることもあるので注意が必要です。
④プリインストールアプリが最低限
Android Oneにプリインストールアプリされているアプリは、Googleのサービス系のアプリやカメラアプリなどを中心に最低限となっています。
一部メーカー製のアプリなどがプリインストールされている事もありますが、キャリアから販売されるスマホのように大量に入っているということはありません。
また、プリインストールアプリが少ないというのは非常に優れた部分で、アプリの相性や干渉、バックグランドの常駐も避けられ、迅速なアップデートも可能になるので、基本部分の使い勝手が確実に上昇します。
⑤メーカー間でのUIの統一
最後のAndroid Oneの特徴はメーカー間でのUIに差が出ないことでしょう。
そのため、メーカーを超えた機種変更をしても同等の操作で利用できるため円滑に変更が可能です。
しかし、Android Oneスマホは、増えてきたといってもまだ少なく特にハイエンドではほぼ選択肢がない状況なのでAndroid Oneで絞って新しいスマホ探しをしてしまうと気に入るスマホが見つからないかも知れません。
Android OneとカスタムOSとの比較
Android OneとメーカーにカスタマイズされたOSではメーカーにより異なりますが、UIが違うだけでなく機能が追加されているケースが多いです。
また、一口にメーカーにカスタマイズされたOSといってもメーカー毎にかなり違いが有り、特にSamsungの「One UI」やHuaweiの「EMUI」、Xiaomiの「MIUI」、OPPOの「ColorOS」ではUIはもちろん機能面でもピュアAndroidと異なります。
中でも中華勢は元々自国でGoogleにサービスが使えないこと有り、デュアルアプリやゲームターボなどの便利な機能が豊富です。
また、共通して使える機能のダークモードやPCモード、ジェスチャー機能などは、Androidで標準搭載する前から追加されており使い方とマッチすればAndroid OneやピュアAndroidを凌駕する使い勝手を得られるでしょう。
- メーカーカスタムAndroidと比べて機能で劣る
- Android Oneではダークモードなどの新機能対応が遅いケースも有る
Android Oneの主なパートナーメーカー
Android Oneは、その仕組み全てのメーカーから発売はできず上Googleとスマホメーカーの協力のうえ、一部メーカー/スマホで開発、販売されています。
その協力関係のあるメーカーのメジャーなメーカーは、以下6社で、これらのメーカーは継続的、あるいは複数のAndroid Oneスマホを開発販売している状況です。
- Xiaomi
- Nokia
- Motorola
- SHARP
- 京セラ
- LG
注目は世界4位のシェアを持つXiamiとLGそしてNokiaです。
Xiaomiは、その他の製品と同様、異常なコスパをAndroid Oneでも実現しています。
特に私も使っている2018年に発売された「Xiaomi Mi2」はミドルハイのスペックを20,000円台で発売するなどXiaomi以外真似を出来ない芸当をやってのけました。
LGは国内のワイモバイルから発売した「X5」でAndroid Oneとしては、一世代遅れながら初のハイエンドSoC「Snapdragon 835」を搭載。
また、数々のAndroid Oneスマホを発売してきたNokiaも2019年、一世代遅れながら「Snapdragon 845」を搭載したハイエンドスマホ「Nokia 9 PureView」を発売しました。
特に「Nokia 9 PureView」はSoCだけでなく5眼レンズカメラを搭載するなどフラグシップといえる内容のスマホでAndroid Oneの選択肢を大幅に広げた1台といえるでしょう。
Android Oneのおすすめスマホ
Android Oneは、ピュアAndroidかつGoogleによるアップデートの保証をしたギーク層に刺さる仕組みではあるもののローエンドのスマホが多いです。
中でも「Snapdragon 4」シリーズを搭載したモデルは、レスポンシブや実用面でスペック的にストレスも感じるのでおすすめできません。
逆に、選択肢は限られるもののミドルレンジの上位のスペックを持つ「Snapdragon 660」以降のSoCを搭載したスマホは実利用で満足度の高い作りになっていため、、Android Oneの中でもとくにおすすめのスマホを紹介していきます。
有機EL+ディスプレイ指紋センサーを搭載したコスパ最強の「Xiaomi Mi A3」
Xiaomi Mi A3は、ほぼハイエンドにしか搭載されない有機ELと画面内に指紋認証を埋め込んだ最新の技術を採用しながら20,000円代で購入できるコスパ最強といえるスマホです。
解像度や対応バンド、技適など若干気になる部分はあるもののデザインや質感も非常に高く仕上がっています。
また、Android OneなのでXiaomiのMIUIが苦手な人でも安心して使える事が出来ることもあり非常におすすめです。
驚異の5眼レンズを搭載した「Nokia 9 PureView」
「Nokia 9 PureView」は、SoCに「Snapdragon 845」搭載したAndroid Oneで2020年時点、最もハイスペックなスマホです。
ただハイスペックというだけでなく5眼カメラという飛び道具も備えているのでギークにも刺さるスマホでしょう!
ハイエンドで唯一のおサイフケータイ対応モデル「Android One X5」
「Android One X5」は、ワイモバイルから発売されたLG製の希少なハイスペックスマホで更におサイフケータイまで対応しているという非常にレア度が高いスマホです。
SoCは、Snapdragon 835と2世代前ながら現在のミドルレンジを優に上回る性能を誇ります。
[Android One]×[おサイフケータイ]×[ハイスペック]という優先順位が高い人には唯一無二の選択肢になるので条件に当てはまる人は早めに買ってしまいましょう!
Android Oneのおすすめ通信キャリア
SIMフリーや端末だけを買うのに不安がある人は、ワイモバイルで購入することをおすすめします。
なぜワイモバイルを進めるかというと、ワイモバイルから発売されるAndroidスマホは、ほぼAndroid Oneだけのため選択肢が豊富だからです。
また、ワイモバイルは通信料金が格安SIM並に安く設定されており、サポートの負担を減らす目的で、操作体系が殆ど変わらないAndroid Oneに力を入れているのでキャリアとしては唯一の選択肢でしょう。
また、ワイモバイルのAndroid Oneのシリーズは「Xシリーズ」と「Sシリーズ」が提供されており実利用の面からローエンドの「Sシリーズ」を避け「Xシリーズ」から選ぶことをおすすめします。
その他にもワイモバイルはソフトバンクと同一回線のため、格安SIMと違い通信速度も速く、なにより対応バンドに中華系のスマホと相性の良いBand 8があるので中華スマホを買う時にも安心です。
Android Oneのまとめ
Android Oneは安定したピュアAndroidとアップデートの保証がある優れた仕組みで、キャリアから発売される大量にプリインストールされているアプリが嫌な人やメーカーにゴリゴリカスタマイズされたUIが嫌いな人には最適な選択肢です。
とはいえ、アップデート以外は、人によってはデメリットにもなり得るためメーカーのカスタマイズが気に入っている人は留意した上で購入に踏み切りましょう!