ワイヤレスイヤホンが普及したことで、利用者が増えているBluetooth。
互換性が高いので接続出来ないってことは滅多に起こりません。
しかし、バージョンにより利用できる機能や性能が異なり古いバージョンでは安定性がイマイチなことも…。
ということで、今回はBluetoothのバージョンの違いにスポットを徹底解説していきます。
また、Bluetoothのコーデックを知りたい人は[Bluetoothのコーデックの音質と確認方法を徹底解説!!]をご覧くださいませ。
実際に使ってレビューしたモデルの中から抽出しています。
Bluetoothのバージョンとは?
そもそもBluetoothは、PCやスマホとイヤホンやIoT機器を電波で接続することで通信を可能にする近距離専用の通信規格です。
最近では、PCやスマホ以外にもスピーカー、PlayStation4などのゲーム機でも採用されていて、ワイヤレス近距離通信の標準規格になっています。
また、近距離の無線通信の中には、スマホにも搭載され高速通信が可能なWi-Fi、テレビリモコン、ガラケー、そして一時期はスマホにも搭載されていたIrDA(赤外線通信)などが有名です。
ではなぜ、Bluetoothワイヤレスイヤホンやスマートウォッチなどにこれほど採用されるかと言うと他の規格に比べて特性のおかげでしょう。
- 超低消費電力
- 適切な通信速度
- 通信の安定性
- 高いセキュリティー
このように、消費電力が非常に少なく、カバンや服などの遮蔽物があっても利用できるため、イヤホンやゲームのコントローラーなど近くで使用する機器との相性が良いわけです。
つまり、Bluetoothはスマホやイヤホン、IoTなどの近距離で使用する機器に適している無線通信規格といえるでしょう。
Bluetoothのクラスやプロファイルが気になる場合は、[Bluetoothのクラスの違いについて徹底解説!!]や[Bluetoothのプロファイルと確認方法について徹底解説!!]をご覧くださいませ!
Bluetoothのバージョンによる違い
Bluetoothは、互換性がなく用途が異なる以下の2つの規格が並列しています。
- 通信速度重視でBluetooth 3.0までの「クラッシック」
- 低消費電力に重点を置いたBluetooth 4.0以降の「LE(Low Energy)」
バージョン一覧表
時期 | バージョン | バージョン内容 |
1999年 | 1.0 | 一般公開された最初のバージョン。 |
2001年 | 1.1 | 認知されて幅広く使われ始める。 「普及バージョン」などと呼ばれているバージョン。 |
2003年 | 1.2 | 同じ2.4GHz帯を利用した周波数帯との電波の干渉をへらし、音質の改善をはかる。 |
2004年 | 2.0 | 容量の大きいデータを通信する場合の最大通信速度を3Mbpsに切り替えられる「EDR」をオプションで追加。 |
2007年 | 2.1 | NFCに対応。 ペアリングが簡略化され、バッテリーの寿命が最大5倍に延長できる「Sniff Subrating」機能を追加。 |
2009年 | 3.0 | 「HS」機能をオプションに追加され、最大転送速度が24Mbpsになり従来より約8倍のデータ速度になる。 |
2009年 | 4.0 | 「BLE」対応で大幅な省電力化になり、様々なプロファイルに対応。通信速度は最大1Mbps。 |
2013年 | 4.1 |
バージョン4.0の機能を強化。
直接インターネットに接続できる機能や自動再接続、LTEとBluetooth機器間での通信干渉を減らす機能の追加。 |
2014年 | 4.2 | セキュリティの強化と転送速度が2.5倍高速化される。 |
2016年 | 5.0 | メッシュネットワークに対応し、データ通信速度が4.0の2倍、通信範囲が4倍、通信容量は8倍になる。 |
2019年 | 5.1 | Bluetoothデバイスで信号の発信方向が認識できるようになる方向検知機能を追加。 |
2020年 | 5.2 | LE Audioが追加され複数デバイスへのストリーミング(EATT)やキャストに加えより低消費電力(LE Power Control)になる。 |
Bluetoothは1999年のバージョン1.0誕生以降、データの量や消費電力の改善がされています。
大きく変化があったのはBluetooth 4.0以降から。
消費電力の改善を重視した結果、「LE」が登場し、Bluetooth 3.0以前とは互換性がなくなりました。
少し分かりづらいので、それぞれポイントになる規格を2つにわけて説明していきます。
Bluetooth 3.0以前の「クラシック」
「クラシック」と呼ばれるBluetooth 3.0以前の規格は、モバイルデバイスよりデスクトップ周りで使われることが多かったことから、消費電力より通信速度重視で、ver3.0で24Mbpsまで通信速度を向上しています。
バージョン3.0と聞くと「LE」の最新5.2に比べ、過去の規格と思われがちですが、現在でもマウスやキーボードなどにも使われている現役の規格。
また、直接的な互換性もないので「クラシック」と「LE」では同じBluetoothとはいえ別物と考えた方が良いでしょう。
Bluetooth 4.0以降は「LE」
2007年にiPhoneが発売されて世界中でスマホが急速に普及しましたが、モバイルに最適化されたBluetooth 4.0の登場は2009年。
Bluetooth 4.0以降は、「LE」と名前の通り低消費電力に重点を置いた規格となり現在では殆どのスマホに搭載されています。
また、ver4.1はインターネット接続、ver4.2ではデートレート2.5倍に、ver5.0は、データレートが更に2倍向上したことに加え通信の範囲や容量が大幅に拡大しました。
更にver5.1では方向探知機能が追加されることでイヤホンなどが紛失してしまっても見つけるのに役立つようになります。
ワイヤレスイヤホンの普及も合ってか「クラシック」より進化のペースが早くより使いやすい仕様になっているといえるでしょう。
更にBluetooth「LE」規格であれば下位互換になっているので機能面はともかく殆ど場合接続に支障が出ることはありません。
Bluetoothの互換性
「クラシック」と「LE」では、直接的な互換性はありませんが、デバイスが「クラシック」と「LE」両方に対応することで互換性を確保しているケースがあります。
しかし、ロゴによる見分けが可能で、
- [無印]がBluetooth 3.0までの「クラシック」対応
- [SMART]の記載があるものがBluetooth 4.0以降の「LE」に対応
- [SMART READY]と記載されていれば「クラシック」「LE」双方に対応
したデバイスなので、これからBluetooth機器を購入する時はロゴを確認してみましょう。
Bluetoothの確認方法
Bluetoothの規格は「クラシック」と「LE」によりそれぞれ互換性が異なるため残念ながら相互に利用することができません。
そのため、自分の持っているデバイスが対応しているバージョンを確認する必要があります。
とはいっても、スマホに限れば現状ほぼ「LE」規格が採用されるのでイヤホンなどを購入する場合、Bluetooth 4.0以降であれば問題なく利用できます。
しかし、どーせなら確認方法を知りたいところ!
より新しいバージョン同士で接続するには確認が必要なので下記まとめます。
スマホやイヤホンで確認する方法
先頭の数字 | Bluetooth バージョン |
0 | 1.0b |
1 | 1.1 |
2 | 1.2 |
3 | 2.0+EDR |
4 | 2.1+EDR |
5 | 3.0+HS |
6 | 4 |
7 | 4.1 |
8 | 4.2 |
9 | 5 |
10 | 5.1 |
11 | 5.2 |
自分の所有しているスマホやイヤホンなどのデバイスを確認するにはGoogleで[機種名+Bluetooth]や[機種名+スペック]などで検索するのが最適でしょう。
スマホの場合設定から確認することも可能ですが、機種ごとに手順が異なるので、ググったほうが速いです。
パソコンで確認する方法
PC(Windows)の場合は、
- [スタート]を右クリック
- デバイスマネージャーを選択
- Bluetooth→インテル~Bluetoothまたは、BluetoothAdapterのプロパティーを選択
- ファームウェアバージョンを確認
の手順で確認可能です。
右側に数字のられつが出てきますので、先頭の数字を上記の表に当てはめてご確認ください。
Bluetoothのバージョンまとめ
Bluetoothは、低消費電力に重点の置いたBluetooth 4.0以前と以降によって、実質2つの規格が併用されている状態なので注意して見ていないと中々分かりにくいと思います…。
逆に、Bluetooth 4.0以降は下位互換が保たれているので実用面ではほとんど困ることはないでしょう。
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