「TWS Plus」や急速充電に加えて高音質を求めると、4,000円未満の完全ワイヤレスイヤホンでは殆ど選択肢がありません。
そんな中、4,000円未満で上記全てに対応し長時間連続再生も可能なモデルがTaoTronics「SoundLiberty 97」。
ということで、今回は高音質でスペックも高く激安なTaoTronics「SoundLiberty 97」を「SoundLiberty 53」との比較も交えてレビューしていきます。
実際に使ってレビューしたモデルの中から抽出しています。
TaoTronics「SoundLiberty 97」の概要
「SoundLiberty 97」は、コスパの高いイヤホンを多数ラインナップするTaoTronicsの中でも更に頭一つ抜けたコスパを誇る完全ワイヤレスイヤホン。
4,000円未満にも関わらず、左右独立伝送の「TWS Plus」や10分で2時間利用できる急速充電、9時間もの長時間連続再生に対応しているため価格以上の性能といえるでしょう。
また、低価格に見合わないバランスの良い音質も実現し、防水性能は水中でも故障の心配がない驚異のIPX8まで対応と文句なしの性能に仕上がっています。
- 「TWS Plus」対応
- 急速充電対応
- 9時間の連続再生
- IPX8の防水性能
- 上記を揃えながら4,000円未満の低価格
TaoTronics「SoundLiberty 97」のスペック
商品名 | SoundLiberty 97 |
連続再生時間 | 9時間 |
ケース込再生時間 | 最大36時間 |
急速充電 | 10分の充電で2時間利用可能 |
Bluetooth | Bluetooth5.0 |
コーデック | aptX/AAC/SBC |
ドライバ |
6mm PEEK+PU製ハイブリッドドライバー
|
タイプ | カナル型 |
左右同時伝送 | 対応 |
音取り込み | 非対応 |
マルチペアリング | 対応 |
マルチポイント接続 | 非対応 |
ノイズキャンセリング | 非対応 |
インターフェース | USB/TypeC |
防水性能 | IPX8 |
操作 | タッチセンサー |
連携アプリ | 非対応 |
ワイヤレス充電 | 非対応 |
ペアリング | Qualcomm TWS Plus |
チップセット | Qualcomm QCC3020 |
充電容量 | 50mAh/本体 350mAh/ケース |
重量 | 片耳4.2g |
その他機能 | 特になし |
販売先 | Amazon |
価格考慮しなくてもペック的な欠点はほぼなし。
QCC3040をチップセットに採用したモデルも出てきているのでQCC3020だと古いイメージがありますが、4,000円未満と考えると十分すぎます。
強いて欠点をあげると「TWS Plus」が利用できるAndroidスマホが少ない点。
また、後述しますが「TWS Plus」対応のスマホでも左右独立伝送が利用できなかたりするのでこの辺りが少し気になる部分ですね。
TaoTronics「SoundLiberty 97」のデザインチェック
まずは、TaoTronics「SoundLiberty 97」のデザインをチェックしていきましょう!
シンプルで標準的な質感の「外箱」
TaoTronicsの外箱は「SoundLiberty 53」や「SoundLiberty 92」と同じ用にどのモデルでも、ホワイトベースにオレンジのアクセントカラーで質感はほぼ同じ。
厚みも堅牢さはありませんが、触り心地はマッドで安っぽくはないので、価格以上の感じで悪くありません。
スライドするとロゴがあしらわれた内箱の中に本体と説明書などが入っています。
thanksカードがサポートの「同梱物」
TaoTronics「SoundLiberty 97」の同梱物は以下の通り。
- イヤホン本体×1
- イヤーピース×4
- 充電ケース×1
- USB/TypeA-USBTypeCケーブル×1
- 英語/日本語取り扱い説明書×1
- 英語のスタートガイド
- thanksカード×1
TaoTronicsはSUNVALLEYグループのため、モバイルバッテリーのRAVPowerと同様、Amazonの注文番号で製品登録すると30ヶ月まで延長保証が可能です。
以前のモデルより質感の上がった「本体」
形状的にオーソドックスでシンプルにまとまっています。
デザイン部分はタッチセンサー部分には薄いゴールドのロゴ、エッジ部分は光沢になっていて充電ケースとの相性が良く好感触です。
裏側はサラサラとした質感で汚れが目立たない素材が採用されています。
充電部分が凹んでいるので接合部が肌に触れて劣化してしまう心配が入りません。
厚めで柔らかい「イヤーピース」
付属のイヤーピースは、少し厚めで柔らかいので耳への負担も少なくフィット感も高いため、装着感に良い意味で大きく寄与しています。
イヤホンに付いているイヤーピースを含めると4種類から選ぶことができるので、素材の質感と相まって殆どに人が満足できるでしょう。
SoundLiberty 92に酷似した「充電ケース」
充電ケースはエッジ部分が円周に光沢加工がされていて、イヤホン本体と一体感が抜群!
デザイン自体はインナーイヤー型の「SoundLiberty 92」とほぼ同じで、形状だけ縦を短くし横を伸ばした感じです。
サイズ感も殆ど同じなので、かなりコンパクトで持ち運びに優れた充電ケースに仕上がっています。
サイドの充電「インターフェース」
充電インターフェイスは正面から右側面の下側。
個人的には背面の方が好きですが、実用上は問題なし!
同じデザインの「SoundLiberty 92」の場合、底がインターフェースなので、「SoundLiberty 97」の方が使い勝手で上回ります。
視認性が悪い「LEDランプ」
TaoTronics「SoundLiberty 97」のLEDランプは青/白発光でかなり視認性が悪いです。
というのも、輝度は標準的ながら奥まった位置から発光しているため、正面以外からだと殆ど視認できません。
充電ケースのLEDは輝度も高くどの角度からも点灯が確認可能。
しかし、LEDは1箇所しかなく、色の変化もないためため、残量を示すインジケーターとしての役割ありません。
充電ケースの残量を気にかける人も多いと思うので、この辺りは改善して欲しい部分です。
軽量な本体とコンパクトなケースの「重量」
イヤホン本体の重量は実測で片耳4gとかなり軽量。
カナル型だと長時間利用時イヤーピースについで重量も疲れに影響するので、9時間の長時間再生を可能にしながらこの軽量感は凄い!
充電ケースも最大36時間の再生時間を維持しながら、実測33gの軽量とコンパクトを実現しているのでユーザビリティーに優れていますね。
TaoTronics「SoundLiberty 97」の使い方
続いて、TaoTronics「SoundLiberty 97」のペアリング方法とTWS Plusの検証、タッチセンサーを用いた操作コマンドを解説していきます。
ペアリング方法
TaoTronics「SoundLiberty 97」は充電ケースからイヤホン本体を取り出すとペアリングモードに以降するので、白と青の点滅を確認したらスマホ側で設定しましょう。
一度ペアリングしてしまえば次回ケースから取り出すときは自動で接続されます。
Bluetoothのペアリングや接続できない時の解決方法を徹底解説!!
Androidのペアリング手順
Androidスマホの場合以下の手順でペアリング可能です。
- 充電ケースからイヤホンを取り出す
- [設定]を開く
- [Bluetooth]を選択
- [新しいデバイスとペア設定]を選択
- [「SoundLiberty 97-R」]を選択
- [ペア設定をする]を選択
Qualcomm QCC3020チップを採用しているので、左右それぞれ表示されるはずですが、ケースから左右取り出すと「SoundLiberty 97」の表示しかされないので取り敢えず表示された「SoundLiberty 97」をペアリングしましょう。
左右それぞれで片耳利用する場合
TaoTronics「SoundLiberty 97」は、左右別個で表示されないので、右側イヤホンだけを接続したい場合、充電ケースから右側のイヤホンを取り出し再度ペアリングをする必要があります。
その際「SoundLiberty 97-R」の表示をタップしペアリングすることで、右イヤホンの片耳利用が可能です。
iPhoneの場合
iPhoneなどのiOSデバイスのペアリングは以下の手順です。
- 充電ケースからイヤホンを取り出す
- 本体[設定]
- [Bluetooth]をON
- [その他のデバイス]を選択
- [「SoundLiberty 97-R」]を選択
- [ペア設定をする]を選択
Android同様こちらも片耳が表示されませんので、片耳利用する場合は充電ケースから右側のイヤホンだけを取り出し「SoundLiberty 97-R」を選択肢ペアリングしましょう!
TWS Plusでの接続検証
「TWS Plus」の検証はヤマハ「TW-E3A」で「TWS Plus」で接続できたXiaomi「Redmi Note 9S」で行います。
結論からいうと上記の画像の通り「TWS Plus」での接続はできませんでした。
通常QCC 3020チップを搭載し「TWS Plus」に対応している場合、対応スマホであれば左右両方が個別で接続されるのですが、どちらか片方しか接続されず、無理やり接続しようとすると[接続できませんでした]と表示されます。
販売ページでは「TWS Plus」に対応が謳われているので利用できないということはないと思いますし、Snapdragon845以上との表記もあるためかなり限られたデバイスでしか「TWS Plus」は利用できないと考えた方が良いかもしれません。
また、「TWS Plus」について詳しく知りたい方は[「TWS Plus」とは?Qualcommの左右同時伝送方式を徹底解説!!]を御覧くださいませ!
操作方法
TaoTronics「SoundLiberty 97」は、イヤホン本体のログ部分にあるタッチセンサーから音楽や通話関連の操作が可能です。
タッチセンサー部は大きくタッチしやすく、反応も良いのでコマンドを覚えてしまえば快適に利用できるので覚えてしまいましょう!
音楽再生関連の操作一覧
音楽を再生 / 一時停止 | 左右どちらかを2回タッチ |
次の曲へ | 右イヤホンを3回タッチ |
前の曲へ | 左イヤホンを3回タッチ |
音量を上げる | 右イヤホンを1回タッチ |
音量を下げる | 左イヤホンを1回タッチ |
音楽関連はほとんどの操作に対応しているため、殆ど不満が出ることはないと思います。
また、ビープ音はないので、人によってはわかりにくく感じることがあるかも知れません。
通話や電源関連の操作一覧
電話に出る | 左右どちらかを1回タッチ |
電話を切る | 左右どちらかを2回タッチ |
通話切り替え | 左右どちらかを2秒ロングタッチ |
着信を拒否する | 左右どちらかを2秒ロングタッチ |
音声アシスタント | 左右どちらかを数秒ロングタッチ |
手動ペアリング | 左右どちらかを3秒ロングタッチ |
イヤホンの電源を入れる | 左右どちらかを5秒ロングタッチ |
イヤホンの電源を切る | 電源ON後3秒ロングタッチ |
通話や音声アシストもフル装備!
コンパニオンアプリがないため、カスタマイズは出来ないものの、完全ワイヤレスイヤホンの中ではトップクラスに対応しているコマンドが多く満足度の高い仕上がりです。
TaoTronics「SoundLiberty 97」の音質
TaoTronics「SoundLiberty 97」は、で5,000円未満の価格帯では珍しくバランスに優れた高音質。
重低音がそこそこ強く、中音域や高音域がフラットなため、籠もりがなく、派手すぎない調整になっています。
また、ロック系の音楽では若干ドンシャリ傾向があるものの、適度の華やかさが有り、EDM系の曲でも重低音を響かせているので、どのジャンルの音楽でも快適に楽しめるでしょう。
少なくても5,000円以上は出さないとここまでの音質の完全ワイヤレスイヤホンは殆どないと思うので、[価格重視で音質も]といったユーザーには良い選択肢になりそうです。
- 重低音が程よく強調
- 中音~高音がフラット
- ボーカルが聞き取りやすくマイルド
TaoTronics「SoundLiberty 97」の使用感
それでは、TaoTronics「SoundLiberty 97」を使った使用感をまとめていきます。
結論からいうと、音質や装着感といった完全ワイヤレスイヤホンとしての基本性能がしっかりした上で、長時間の連続再生やそこそこのマイク性能があるためコスパではトップと言えるレベルと言えるでしょう。
軽く疲れにくい「装着感」
TaoTronics「SoundLiberty 97」に付属するイヤーピースは、比較的厚く柔らかいので耳への不可が少なくフィット感はかなり高め。
装着後手前へ回すとイヤホンの形状が耳にフィットし、片耳4gの軽量も相まって長時間の利用でも疲れにくいです。
また、フィット感が高い状態で耳全体を多い、イヤーピースが厚めのためか遮音性も文句なし!
初回もたつくが上々の「接続速度と安定性」
初回ペアリング時は、スマホ側での表示が遅く、特に右側のペアリングでは表示まで30秒近くかかりましたが、1度ペアリングしてしまえば、耳に付ける前に接続してくれるため接続速度はかなり速い部類。
安定性も高く、電車、コンビニなどの人がある程度いる場所でも途切れることなく安定して通信可能です。
音量は大きいが雑音も響く「通話音質」
マイク性能は、及第点といった感じで悪くはありません。
音量は大きく、やや拡声器を使った感じの不自然さはありますが、屋内では快適に利用可能です。
逆に屋外では声以外の騒音部分のカットの精度が悪く、工事などの大きめの騒音だとかなり拾ってしまうので注意が必要。
しかし、意外に風切り音には強く、若干音は入り込むものの会話が出来ないほどじゃないため、大きめの騒音に気をつければ屋外でも十分利用可能です。
9時間の「連続再生時間」
TaoTronics「SoundLiberty 97」の連続再生時間は、9時間と軽量のイヤホンに見合わずかなり長め。
リレー伝送の実測でも、60%の音量で約8時間ほど連続再生出来たので、左右独立伝送の「TWS Plus」なら9時間以上持つ可能性は高いでしょう。
また、万が一の時に使える10分で2時間充電が可能な急速充電に対応し、充電ケースもコンパクトながら最大36時間利用可能なので殆どのユーザーが満足する水準だと思います。
IPX8対応の「防水性能」
防水性能は長時間の水没にも耐えることができる最高レベルのIPX8に対応しているので、水関係で不安になることはないでしょう。
2020年では殆どの完全ワイヤレスイヤホンが良くてもIPX7に留まっていたので防水性能は、頭一つ抜けています。
個人的にはここまでの防水性能の必要性は感じませんが、IPX8に対応していて損はなし!
TaoTronics「SoundLiberty 97」と「SoundLiberty 53」の違い
SoundLiberty 97 | SoundLiberty 53 | |
再生時間 | 9/36時間 | 6/40時間 |
急速充電 | 対応 | 非対応 |
コーデック | aptX/AAC/SBC | AAC/SBC |
左右同時伝送 | Qualcomm TWS Plus | Airoha MCSync |
充電インターフェイス | USB/TypeC | microUSB/TypeB |
防水性能 | IPX8 | IPX7 |
TaoTronicsにラインナップの中でも価格が近く、同じカナル型で以前レビューした「SoundLiberty 53」と比べると、殆ど部分で上回っています。
左右同時伝送のみ、接続先のデバイスに制限がない「MCSync」が利用できる「SoundLiberty 53」が上回るといった感じです。
さらに、価格も「SoundLiberty 97」のが安いため、うどん型のデザインに余程拘りがなければあえて「SoundLiberty 53」を選択する必要はないでしょう。
また、デザインや質感ではイヤホン本体はもちろん、充電ケースも大きく「SoundLiberty 97」のが優れています。
TaoTronics「SoundLiberty 97」がおすすめの人
TaoTronics「SoundLiberty 97」は、低価格&高音質という両立しにくい要素を求めている人におすすめ!
4,000円未満未満とは思えない音のバランスは、近い価格帯だと現状、「SOUNDPEATS Sonic」と「EarFun Air」ぐらいしかないため、初めて完全ワイヤレスイヤホンを買う人にもピッタリです。
大きな欠点もなくコスパ重視の人なら殆ど満足できる反面、「TWS Plus」の期待している場合、対応機種が限られるので自分のスマホが利用できるか確認してから購入した方が良いでしょう。
とはいえ、TaoTronics「SoundLiberty 97」のコスパは圧倒的に高いので、低価格を求めるユーザーなら最有力の選択肢です。
TaoTronics「SoundLiberty 97」レビューのまとめ
TaoTronics「SoundLiberty 97」は、「TWS Plus」が対応しているはずの「Redmi Note 9S」で利用できなかったのが気になるぐらいで、目立った欠点がほぼありません。
その上で長時間再生やIPX8防水に急速充電に対応しているので、ユーザービリティーも優れています。
しかも、デザインや質感に加え音質も高いので、「SoundLiberty 53」の存在価値がほぼなくなったと言ってしまっても良いでしょう。