これまで500~2,000円未満の格安キーボードをレビューしてきましたが、近い価格帯の商品でも結構使用感に違いがでます。
特に打鍵感はキースイッチである程度予想できるメカニカルキーボードと異なり、格安キーボードはメンブレンが程んどなので予想が付きにくく良くも悪くも差がエグいです。
そのため、いくら安くても打鍵感が悪かったりキー配列が微妙だと満足度が大幅に下がって残念な気持ちに…。
ということで、今回は低価格帯のキーボードを買う際に出来るだけ参考になるように徹底的に比較していきます。
格安キーボードはメンブレン方式
格安のキーボードは、基本的に原価の安いメンブレン方式が使われることが殆どです。
また、冒頭で触れたとおりメカニカルキーボードではキースイッチのメーカーがあり、軸の種類で打鍵感がある程度把握できたり、500~1,000円ぐらいで全種類のキースイッチを買って試すことで好みの軸を見つけることもできます。
しかし、メンブレンキーボードの場合、スペック表の記載も曖昧だったり、メーカー毎に独自の基準で押下圧が記載されているので中々打鍵感を予測する事は難しいでしょう。
また、全てのメンブレンキーボードを試すのは困難ですが、今回はAmazonで販売されている中でも上位に来るメンブレンキーボード6機種の比較を行うので参考に慣れば幸いです。
格安キーボードの比較
順位を付ける前に、以下の対象キーボードを「デザイン、打鍵感、打鍵音、キー配列とキーピッチ、機能性」の5分野ごとに徹底的に比較していきます。
また、今回比較するキーボードは以下の通り。
- ロジクール「mk235」
- ロジクール「K270」
- バッファロー「bskbu15bk」
- バッファロー「bskbu105bk」
- エレコム「tk-ffcm01bk」
- サンワサプライ「skb-l1ubk」
①「デザイン」はバッファロー「bskbu15bk」が優秀
最初は、モチベーションに影響するデザインから。
これはもうダントツでバッファロー「bskbu15bk」が優秀です。
薄めの筐体にアイソレーションと他とは一味違うスタイリッシュなデザインになっています。
残りの5つのキーボードはオーソドックスなのでそこまで差はありません。
しかし、エレコム「tk-ffcm01bk」はスクエア型の筐体、サンワサプライ「skb-l1ubk」は一部使用頻度の高いキーを大きくすることで面の部分を変形させたりと若干の個性が見えます。
また、2,000円未満のキーボードだとプラスチック筐体が基本なので、質感的には大きく差はありません。
②「打鍵感」は若干バッファロー「bskbu105bk」ただし問題も
最も重要な打鍵感は、好みによる部分が大半です。
そのため、私の判断基準が軽めの押下圧でキーストロークも浅めが好みという前提で比較するのでご了承下さい。
深いキーストロークや重めの押下圧が好きな人は逆に捉えて頂けるとフィーリングに合うかと思います。
1位 バッファロー「bskbu105bk」
ということで、最も打鍵感的に好みだったのは、押下圧が軽く適切なキーストロークのバッファロー「bskbu105bk」。
しかし、ハズレ個体を引いてしまったためか側面のゴムの左右のバランスが悪くガタガタしてしまいます。
とはいえ、バッファロー「bskbu105bk」とサンワサプライ「skb-l1ubk」は、使い勝手的にも汎用性が高く万人に受け入れられると思うのでおすすめです。
2位 サンワサプライ「skb-l1ubk」
2位はサンワサプライ「skb-l1ubk」でこちらも軽い打ち心地で快適に利用できますが、ホームポジションの突起が浅いので慣れるまではちょっと違和感を感じる部分も…。
3位 ロジクール「mk235」
3位はロジクール「mk235」、非常に軽く浅い打鍵感なので長時間の利用や撫で打ちに近い人には最適でしょう。
ただし、若干キーがゆるゆるな感覚に陥ったり軽すぎる感覚が打ち応えのなさに繫がるので好みが分かれそうです。
4位 バッファロー「bskbu15bk」
4位はバッファロー「bskbu15bk」、アイソレーションタイプで浅めのキーストロークと標準的な押下圧で条件的には良さげですが、キートップがフラットなことやホームポジションの突起が分かりにくいことでミスタッチが増えやすい傾向にあります。
5位 エレコム「tk-ffcm01bk」
5位は、エレコム「tk-ffcm01bk」で感覚的にはバッファロー「bskbu105bk」を押下圧を重くした感じです。
私の場合軽い方が好きなのでこの順位ですが、重めが好みの場合トップでもおかしく有りません。
6位 ロジクール「K270」
最後は、ロジクール「K270」、こいつは押下圧が重すぎるので、長時間のタイピングでは疲れが出ます。
メカニカルキーボードでいう黒軸より重い打鍵感のため、相当重いのが好みの人でしか扱うのが難しいでしょう。
③「打鍵音」は籠もりが少ないサンワサプライ「skb-l1ubk」
打鍵音も好みが大きく影響しますが、テンションにも関わってくるので結構重要です。
ここではランクをつけず、どのような音か触りだけ触れて下記内の動画で音を確認してもらうのが一番だと思います。
音量的な部分ではロジクール「K270」が他のキーボードより若干うるさく響くような感じがするのでちょっと気になります。
また、エレコム「tk-ffcm01bk」はスクエア型の筐体のせいか低音が籠もったような打鍵感となっておりちょっと好みが分かれそうです。
同じ傾向の物はバッファロー「bskbu105bk」で、低音寄りで籠もった感じが強めです。
逆に最も個人的に好みだったのがサンワサプライ「skb-l1ubk」で高音や低音がバランス良くでる打鍵音となっています。
ロジクール「mk235」やバッファロー「bskbu15bk」も比較的高音が混じった音なので個人的にはGOOD。
④「キー配列とキーピッチ」は大きな差はなし
キーピッチは全モデル19mmのフルサイズキーボード+テンキー付きのタイプなので違いはありません。
しかし、一部キーボードの[Delete]や[Insert]キーの配置に違いや問題があるので紹介しておきます。
[Insert]キーと[buck]キーが近すぎるロジクール「mk235」
[Insert]キーと[buck]キー近いとミスタッチ増えるしインサート状態での文字入力になってしまうので致命的に不便。
慣れで改善は可能なものの慣れるまで少し時間がかかってしまいます。
[Delete]位置が一段低いサンワサプライ「skb-l1ubk」
一般的なキーボードで[PrintScreen、Scroll Lock、Pause Break]キーのある場所が1段下がっているため必然的に[Delete]キーの配置が低くなっています。
[Delete]キーの使用頻度が低い人や一つのキーボードしか使わない人には問題ないと思いますが、複数のキーボードを使い分ける人にはミスタッチが発生しそうです。
⑤「機能性」はロジクール「K270」が圧倒的
格安のキーボードなのでホットキーやワイヤレスなど特別な機能はあまり望めません。
しかし、ロジクール「K270」には、PCのスリープを含む8つのホットキーと2.4GHzのワイヤレスでの接続ができるので圧倒的に優位です。
他のキーボードでは消音キーなど3つのホットキーがついたサンワサプライ「skb-l1ubk」や、ワイヤレス接続やマウスもセットなロジクール「mk235」を除き特に特別な機能はないありません。
格安キーボードの比較表
格安キーボードの比較をまとめた表は以下の通り。
商品名 | サンワサプライ 「skb-l1ubk」 |
ロジクール 「mk235」 |
バッファロー 「bskbu15bk」 |
ロジクール 「K270」 |
エレコム 「tk-ffcm01bk」 |
バッファロー 「bskbu105bk」 |
デザインと質感 | ◯ | ◯ | ◎ | ◯ | ◯ | △ |
打鍵感 | ◎ | ◯ | ◯ | △ | ◯ | ◎ |
打鍵音 | バランスの取れた音 | スカスカ感のある 軽い音 |
高めの軽い音 | 低音寄りの響く音 | 低音がこもった音 | 低音よりのこもった音 |
キー配列とキーピッチ | ◯ | △ | ◯ | ◎ | ◎ | ◎ |
機能性 | ◯ | ◯ | △ | ◎ | △ | △ |
格安キーボードの総合順位
比較が終わったところで総合的な順位を決めていきたいと思います!
①欠点がほぼなく使い勝手の良いサンワサプライ「skb-l1ubk」
第1位はサンワサプライ「skb-l1ubk」!!
このキーボードはほぼ欠点がなく万人受けする作りとなっています。
唯一マイナスポイントを上げるとすればホームポジションの突起が低いことぐらい。
それ以外は、打鍵感、打鍵音ともにバランスが良いだけでなく価格も600円代と低価格帯キーボードの中ではダントツのコスパを誇ります。
②機能を低価格に抑え込んだロジクール「K270」
ロジクール「K270」は、ホットキー等の機能性の高さと2.4GHzの無線接続対応で一歩抜けた利便性を誇り第2位。
キー配列もオーソドックスなので使い勝手は文句なしですが、一点気になるポイントは打鍵感の重さ。
短時間ならまだしも長時間のタイピングではちょっと疲れが出てきます。
しかし、指がしっかりとフィットするシリンドリカル構造のおかげでミスタイプは少なくでき、重めの押下圧が好きに人には最適でしょう。
③スクエアデザインでコンパクト感があるエレコム「tk-ffcm01bk」
第3位はエレコム「tk-ffcm01bk」。
このキーボードサンワサプライ「skb-l1ubk」と同様非常にバランスが良いです。
キー配列やシリンドリカル構造、ホームポジションの突起に加え重めの押下圧でミスタッチが非常に出にくい作り込みがされています。
しかし、ロジクール「K270」ほどではないですが、比較的長時間タイピングする私にはちょっと重くこのランクに。
打鍵音はスクエア型で密封感が強いせいかかなり低音で籠もった感じの音です。
とはいえ、重めの打鍵感が好みの場合コスパも良いのでかなりおすすめのキーボードです。
④マウスもセットで圧倒的にソフトな打鍵感を提供するロジクール「mk235」
第4位のロジクール「mk235」は、キーボードだけでなくマウスもセットで2,000円を切り1台のレシーバーで双方使える利便性を誇るキーボードです。
また、マウスの質感は本体のキーボードより高く附属とは思えないので付加価値が高いといえるでしょう。
そして打鍵感は今回比較したキーボードの中で圧倒的にソフトなので私を含め軽い打鍵感が好きな人にはバッチリハマります。
気になる部分は[Back]キーと[Insert]キーが近すぎる点。
[Back]キーの使用頻度は高い部類だと思うのでここでミスタッチで出やすい配置はちょっといただけません。
また、ソフトすぎるタッチも好みが分かれる部分でしょう。
⑤薄型+アイソレーションでデザインに優れたバッファロー「bskbu15bk」
第5位は、デザイン性に優れたバッファロー「bskbu15bk」。
格安キーボードで今回比較した中ではデザインは最も優れています。
また、奇をてらったデザインではないので飽きが来ないのもGOOD。
しかし、キーストロークが短いとこやキートップをフラットにしたことで、ポジショニングがややわかりにくくなっていたりるので、若干ミスタイプが増えるといった欠点もあります。
ただ、慣れればキーストロークが短い分高速タイピングはしやすいと思います。
⑥「bskbu15bk」のオーソドックス版バッファロー「bskbu105bk」
最下位となってしまったのは、バッファロー「bskbu105bk」。
このキーボードはアイソレーションタイプのバッファロー「bskbu15bk」のオーソドックスタイプ。
最下位ではあるものの打鍵感も軽くキー配列も文句なしのため実は1位も狙えるポテンシャルがあったのです。
しかし、底面の滑り止めのゴムの高さが微妙に左右で異なり少しグラグラ揺れてしまうので今回は残念ながら最下位。
仮定ではありますが、ゴムの高さがあっていれば個人的には打鍵感が最も優れていたと思います。
格安キーボードの比較まとめ
2,000円未満の主要な格安キーボードを比較してきましたが、やはりメンブレンは購入前に打鍵感を知ることが難しいですね。
安いから合わなくてもダメージは少ないのが救い。
とはいえ、高額なメンブレンキーボードもあるので高額なものを買う場合は各種レビューを見たり実際店頭で打鍵感を確かめて買うことをおすすめします。
また、今回のレビューでは同じメーカーの商品も有りましたが、このメーカーだから押下圧が軽いとか重いなどの相関関係はありませんでした。